計算結果は一般的な目安です。実際の条件・規格により異なる場合があります。
天ぷらは、具材の下ごしらえよりも「衣をどれだけ作るか」でつまずく料理です。粉を出しすぎて余らせたり、逆に途中で足りなくなって継ぎ足し、あとから作った分だけ食感が変わってしまったり。家庭向けのレシピは「薄力粉1カップ・冷水1カップ・卵1個」のように4人分前後で固定されていることが多く、2人分や6人分に振り替えるたびに暗算が必要になります。この計算機は、人数分と衣の濃さの好みを入れるだけで薄力粉・冷水・卵の3つを同時に出します。
このツールが使っている式は次の3本だけです。1人分の基準を薄力粉30g・冷水45mL・卵0.3個(およそ4人分で卵1個)としています。
注目したいのは、冷水が「人数」ではなく「粉の量」に連動している点です。係数を下げると粉が減り、水も自動的に減るため、粉と水の比率は常に約1:1.5に保たれます。つまりこの係数は「衣液をシャバシャバにするつまみ」ではなく、同じ濃さの衣を、まとう量ごと増減させるつまみです。卵は人数にだけ比例するので、係数を下げると相対的に卵の割合が上がります。
計算例①:3人分・標準(係数1)
薄力粉=3 × 30 × 1 = 90g、冷水=90 × 1.5 = 135mL、卵=3 × 0.3 = 0.9個。卵1個を溶いて、そのうち9割ほどを使うイメージです。
計算例②:4人分・薄め(係数0.9)
薄力粉=4 × 30 × 0.9 = 108g、冷水=108 × 1.5 = 162mL、卵=1.2個。標準の4人分(120g・180mL)より粉が12g、水が18mL少なくなります。
計算例③:6人分・厚め(係数1.1)
薄力粉=6 × 30 × 1.1 = 198g、冷水=198 × 1.5 = 297mL、卵=1.8個。かき揚げを何枚も作る日の分量です。
薄め(0.9)・標準(1.0)・厚め(1.1)それぞれの薄力粉と冷水です。卵は係数に関係なく人数だけで決まります。
| 人数分 | 薄め 粉/水 | 標準 粉/水 | 厚め 粉/水 | 卵 |
|---|---|---|---|---|
| 2人 | 54g/81mL | 60g/90mL | 66g/99mL | 0.6個 |
| 3人 | 81g/121.5mL | 90g/135mL | 99g/148.5mL | 0.9個 |
| 4人 | 108g/162mL | 120g/180mL | 132g/198mL | 1.2個 |
| 6人 | 162g/243mL | 180g/270mL | 198g/297mL | 1.8個 |
画面上の表示は100以上の数値を四捨五入した整数にしているため、3人分・薄めの水121.5mLは「122 mL」と出ます。0.5mL単位まで合わせる必要はありません。
スケールがないときのために、標準(係数1)の粉量を大さじとカップに直した表です。薄力粉は大さじ1が約9g、200mLカップすり切り1杯が約110gという目安を使っており、すくい方や湿り気で前後します。
| 人数分 | 薄力粉 | 大さじ換算 | カップ換算 | 冷水の量 |
|---|---|---|---|---|
| 2人 | 60g | 約6と2/3 | 約1/2強 | 90mL=大さじ6 |
| 3人 | 90g | 約10 | 約4/5 | 135mL=約2/3カップ |
| 4人 | 120g | 約13 | 約1と1/10 | 180mL=約9/10カップ |
粉物は同じ大さじ1でもすくい方でグラム数が変わりやすい材料です。食材ごとの目安は計量スプーン⇔グラム換算で確認できます。
Q. 卵が「1.2個」のように中途半端になります。どうすれば?
A. 卵1個は殻を除いておよそ50g前後(Mサイズ)です。溶き卵にしてから必要なグラム数だけ量ると正確に合わせられます。面倒なら卵を切りのよい個数にし、その分だけ人数を入れ直して粉と水を再計算するほうが比率は崩れません。
Q. 卵なしでも作れますか?
A. 作れます。卵を抜くと水分が減るので冷水を少し増やして固さを合わせます。卵は色づきとコクに関わる材料のため、抜くと白っぽく淡い仕上がりに寄ります。市販の天ぷら粉は卵不要の商品が多いので、その場合は袋の表示に従ってください。
Q. 薄力粉の代わりに強力粉や米粉を使ってもいい?
A. 使えますが性質が変わります。強力粉はグルテンが出やすく衣が硬くなりがちで、米粉はグルテンを含まず軽い口当たりになりやすい一方、吸水の具合が銘柄でかなり違います。水は表の値を出発点に加減してください。
Q. 衣は作り置きできますか?
A. 揚げる直前に作るのが基本です。時間を置くと粉が沈んで分離したり、粘りが出て食感が変わります。間が空くときはボウルごと氷水にあてて冷やし、揚げる前に混ぜ直します。作った衣は当日中に使い切る前提で計算してください。
Q. 粉と水が1:1.5というのは、レシピ本の「粉1カップ・水1カップ」と違いませんか?
A. 単位が違うだけで近い配合です。薄力粉1カップは約110g、水1カップは200mLなので、重さで見た比率は約1:1.8。本ツールの1:1.5はそれよりやや粉が多い標準的な濃さです。カップ表記は詰め方で10g以上ぶれるため、グラム管理のほうが再現しやすくなります。
Q. 冷水は氷を入れた状態で量りますか?
A. 氷は溶けた分だけ水量が増えるので、計量は氷を除いた水で行います。ボウルの底を氷水にあてて冷やす方法なら水量に影響しません。なお1人分(粉30g・水45mL)だと衣が浅くて具材をくぐらせにくいため、少人数でも2人分程度で作るほうが扱いやすくなります。