計算結果は一般的な計算式による目安です。競技のルールや大会・用具の規定により実際とは異なる場合があります。
「今日は結構つないでた気がする」——試合後の感想はどうしても印象頼りになります。それを一本ずつの記録に落とし込み、割合として取り出すのがパス成功率です。このツールは、出したパスの総数と味方に通った本数を入れるだけで、成功率(%)と失敗本数を同時に返します。手集計したスタッツをそのまま入力できる電卓代わりの道具で、少年サッカーの1試合記録から社会人チームの練習効果の確認まで、フットサルやハンドボールなどパスが軸になる競技全般で使えます。
結果には大きく成功率(%)が表示され、その下にパス数・成功パス・成功率・失敗の4項目が内訳として並びます。失敗本数は「パス数 − 成功したパス」で自動的に出るので数える必要はありません。打ち替えるとその場で再計算されるため、ハーフタイムに前半分、試合後に通算、といった使い方もできます。
式そのものは割り算ひとつです。
表示の桁数には決まりがあり、値が1以上100未満なら小数第1位まで、1未満なら小数第2位まで、100以上なら整数に丸めて出します。したがって成功率は通常「86.0%」のように小数第1位まで表示されます。パス数を0のままにすると割り算ができないため、結果は「—」となります。
計算例①:500本中430本が成功
430 ÷ 500 × 100 = 86.0%。失敗は 500 − 430 = 70本。10本に1本強がずれている計算です。
計算例②:320本中250本が成功
250 ÷ 320 × 100 = 78.125 で、表示は78.1%。失敗は70本。①と失敗本数は同じ70本なのに、成功率は8ポイント近く違います。分母の大きさで意味が変わるという、割合を扱ううえで最も基本的な性質がここに出ています。
中盤の選手が1試合で出す本数として現実的な50本を分母にした場合です。
| 成功した本数 | 成功率 | 失敗本数 |
|---|---|---|
| 30本 | 60.0% | 20本 |
| 40本 | 80.0% | 10本 |
| 42本 | 84.0% | 8本 |
| 48本 | 96.0% | 2本 |
分母が50本のとき、1本の成否が成功率を2.0ポイント動かします。裏を返せば、たった数本の集計ミスで数字が大きくぶれるということでもあります。個人スタッツを本数が少ないまま比較するのは慎重に。
チーム全体の総パス数を分母にしたパターンです。同じ成功率でも失敗本数の絶対数がかなり違います。
| 総パス数 | 成功本数 | 成功率 | 失敗本数 |
|---|---|---|---|
| 200本 | 150本 | 75.0% | 50本 |
| 300本 | 231本 | 77.0% | 69本 |
| 400本 | 340本 | 85.0% | 60本 |
| 500本 | 430本 | 86.0% | 70本 |
| 700本 | 630本 | 90.0% | 70本 |
200本で75.0%のチームと700本で90.0%のチームは、失敗した本数だけを見ればどちらも同じ規模(50本と70本)です。それでも数字の印象がまるで違うのは、後者が圧倒的に多くボールを触っているからです。成功率を語るときは、必ず総パス数とセットで見る癖をつけてください。
Q. 何をもって「成功」とするか、ツール側で決まっていますか?
A. いいえ。このツールは入力された2つの数を割るだけで、成否の判定はしません。基準はご自身で決めてください。一般には「味方の選手にボールが渡ったか」を基準にすることが多いですが、記録するご本人が同じ物差しを最後まで使い続けることのほうが、基準そのものより重要です。
Q. クロスやロングフィード、スローインも分母に入れますか?
A. 目的次第です。全体像を見たいなら全部含める、ビルドアップの精度だけを見たいならショートパスに限定する、という具合に範囲を決めます。含める範囲を変えると数字は当然変わるので、範囲を変えた前後の数値を並べて比較しないよう気をつけてください。
Q. 相手に当たってこぼれたボールを味方が拾った場合は?
A. 意図した相手に渡っていないので、多くの集計方法では失敗に数えます。ただしここも決めの問題なので、チーム内でルールを共有し、シーズンを通して統一することが大切です。
Q. 成功率が100%を超えて表示されました。
A. 成功したパスの本数が総パス数を上回っています。この場合、失敗本数はマイナスで表示されます。ツール側で上限の補正はかけていないので、入力ミスのサインとして扱ってください。成功数は必ず総数以下になるはずです。
Q. 成功率が高いほど良い選手・良いチームですか?
A. 一概には言えません。自陣で横パスを回し続ければ成功率は簡単に上がりますが、それがゴールに近づく行為とは限らないからです。成功率は「精度」を測る指標であって、「効果」を測る指標ではありません。前進の度合いやチャンスへの関与と合わせて初めて意味を持ちます。
Q. 練習の効果測定に使えますか?
A. 向いています。同じメニュー・同じ条件で毎週測り、総数と成功数を記録していけば、成功率の推移が練習の手応えを裏づけてくれます。条件が毎回違うと比較にならないので、本数や時間をそろえるのがコツです。
パス成功率は「出したパスがどれだけ通ったか」を測るものです。チーム全体でどれだけボールを持てていたかを見たいときはボール支配率の計算を、球際の1対1でどれだけ勝てたかを数値化したいときはデュエル勝率計算を合わせて使うと、攻守両面のスタッツが揃います。