例:1/16 なら 6.25、1/4 なら 25、1/10 なら 10。
透過率 = (1/2)^(x/HVL) より
半価層 HVL = x × log₁₀2 ÷ log₁₀(100/透過率%)
減弱係数 μ = 0.693 ÷ HVL
1/10価層 (TVL) = HVL × 3.32
例:鋼12mmで透過率1/16 → 半価層3.0mm、μ=2.31cm⁻¹。アルミ6mmで1/4 → 半価層3.0mm、1/10価層≒1.0cm。RTレベル2過去問と一致。
放射線透過試験(RT)の現場や試験勉強では、「鋼12mmで透過線量が1/16になった。半価層は何mm?」「半価層が3mmなら、線量を1/10にするには何mm必要か」といった計算が頻繁に出てきます。手計算では log を扱うため面倒で、過去問でも電卓だけ持ち込み不可の条件で詰まる人が多いところです。このツールは、遮蔽板の厚さ x と透過率(遮蔽前を100とした割合)を入れるだけで、半価層 HVL・1/10価層 TVL・線減弱係数 μ を一度に算出します。RTレベル2受験者、遮蔽・線質の検討をする現場技術者、放射線管理の担当者を想定した実務向けの計算機です。
入力モードは2つあります。状況に応じて切り替えてください。
迷いやすい点として、透過率は 0〜100(%)の範囲で入力します。100以上や0以下は計算が成立しないため結果が表示されません。また、厚さと透過率は同じ材質・同じ線質(管電圧やガンマ線源)での測定値を組み合わせてください。条件が混ざると HVL がずれます。
放射線の減弱は指数関数で近似され、厚さ x を通った後の透過率は次の式で表されます。
計算例①:鋼12mm、透過率1/16(=6.25%)。 1/16 は半分が4回起きた状態(2⁴=16)なので、HVL は厚さの1/4になるはずです。式に当てはめると HVL = 12 × log₁₀2 ÷ log₁₀(100÷6.25) = 12 × 0.3010 ÷ log₁₀(16) = 12 × 0.3010 ÷ 1.204 = 3.0mm。μ = 0.693 ÷ 3.0 = 0.231 mm⁻¹ = 2.31 cm⁻¹。TVL = 3.0 × 3.32 = 約10.0mm(1.0cm)。これは RTレベル2の過去問に出る典型値と一致します。
計算例②:アルミ6mm、透過率1/4(=25%)。 1/4 は半分が2回(2²=4)なので HVL は厚さの半分。HVL = 6 × 0.3010 ÷ log₁₀(4) = 6 × 0.3010 ÷ 0.602 = 3.0mm。μ = 0.693 ÷ 3.0 = 2.31 cm⁻¹。TVL = 3.0 × 3.32 = 約9.96mm(≒1.0cm)。「透過率が 2のべき乗分の1なら HVL は暗算できる」ことを覚えておくと、試験の検算に使えます。
透過率は「半価層が何枚重なったか(n)」で考えると速く読めます。厚さ x = HVL × n の関係です。
| 透過率 | 半価層の枚数 n | HVL=3mm のときの厚さ |
|---|---|---|
| 1/2(50%) | 1.00 | 3.0mm |
| 1/4(25%) | 2.00 | 6.0mm |
| 1/10(10%) | 3.32 | 9.96mm(≒TVL) |
| 1/16(6.25%) | 4.00 | 12.0mm |
| 1/100(1%) | 6.64 | 19.9mm(≒TVL×2) |
| 1/1000(0.1%) | 9.97 | 29.9mm(≒TVL×3) |
Q. 半価層と1/10価層の関係は?
A. 同じμから決まるため、TVL ÷ HVL = log₂10 = ln10 ÷ ln2 ≒ 3.32 で常に一定です。つまり1/10価層は半価層の約3.32倍。逆に、半価層が約3.32枚重なると線量が1/10になります。
Q. 透過率は%で入れる?それとも小数?
A. このツールは%で入力します。1/16 → 6.25、1/4 → 25、1/10 → 10 です。0.0625 のように小数で入れると桁がずれるので注意してください。
Q. μが mm⁻¹ と cm⁻¹ の2つ出るのはなぜ?
A. 現場の板厚は mm、規格・文献の減弱係数は cm⁻¹ で扱うことが多いためです。1 cm=10 mm なので、μ(cm⁻¹) = μ(mm⁻¹) × 10 で換算できます。HVL=3mm なら μ=0.231 mm⁻¹=2.31 cm⁻¹ です。
Q. 質量減弱係数とは違うのですか?
A. このツールが扱うμは「線減弱係数(cm⁻¹)」で、厚さあたりの減弱を表します。質量減弱係数(cm²/g)は線減弱係数を密度で割ったもので、密度の異なる物質を同じ土俵で比較するときに使います。μ(cm⁻¹) ÷ 密度(g/cm³) で換算できます。
Q. 計算より実際の遮蔽が効きにくいのはなぜ?
A. この式は散乱を無視した「細い線束(ナロービーム)」の理論値です。実際は物質内で散乱した線が回り込むため、遮蔽を厚くするほどビルドアップ係数の影響で理論値より線量が高くなります。実遮蔽設計ではこの余裕を見込み、安全側に厚めにとります。