磁粉探傷試験(MT)のコイル法で、試験体を適正に磁化するために必要なアンペアターン(AT=電流×コイル巻数)を、試験体の長さと直径から求めたL/D比をもとに算出するツールです。連続法で縦割れ(長手方向のきず)を検出する際の磁化電流の目安がすぐに分かります。
コイル中央に試験体を置くと、L/D比によって必要な磁化力が変わります。試験体が中心軸付近にある場合の代表的な経験式は次のとおりです。
例:長さ L=300mm、直径 D=50mm の丸棒なら L/D=6。AT≒35000÷(6+2)=約4375AT となり、巻数5回のコイルなら 4375÷5=約875A を流す目安になります。L/D比が小さい(短く太い)ほど反磁界が大きく、より大きなATが必要になります。
Q. L/D比とは何ですか?
A. 試験体の長さ L を直径 D で割った値で、細長さの指標です。値が大きいほど磁化しやすく、小さい(短く太い)ほど両端の反磁界の影響で磁化しにくくなります。コイル法では必要ATを決める基本パラメータになります。
Q. 丸棒以外の形状ではどう入力しますか?
A. 角材や板の場合は、断面積 A から有効直径 D=√(4A÷π) を計算して入力します。中空の管では、外径と肉厚から有効断面積を求めて換算するとより実態に近い値になります。
Q. 計算結果どおりの電流で必ず検出できますか?
A. あくまで目安です。試験体の材質(透磁率)、コイル径と試験体の位置関係、表面状態によって最適値は変動します。最終的にはA形標準試験片(AT片)などで実際の磁界が十分か確認してください。