計算結果は一般的な計算式による目安です。競技のルールや大会・用具の規定により実際とは異なる場合があります。
スコアシートを見返すと、得点は伸びていないのにフリースローだけやたら多い試合がある。逆に、シュートはたくさん打っているのに一度もラインに立っていない試合もある。この差を一本の数字にしたのがフリースローレート(FTr)です。FT試投数をFG試投数で割るだけの指標で、「シュートを打つ流れの中でどれだけファウルをもらえているか」を示します。フリースローが入ったかどうかは一切見ません。ラインに立てた回数そのものを数える点が、他のシュート系指標との決定的な違いです。
ゴール下に踏み込んで体を当てにいく選手ほど数字は上がり、外周でパスを回して打つだけの選手は下がります。本数欄だけでは見えないプレースタイルの輪郭が、ここに出ます。
FG試投が0だと割り算が成立しないため、FTrは「—」と表示されます。不具合ではなく、分母がないという意味です。
式そのものは単純です。
表示のまるめ方に少しクセがあるので、先に知っておくと手計算とのズレに悩まずに済みます。
また、右下の簡易コメントはFTrが40%を超えたときだけ「○ 高め」、それ以外は「△ 標準的」と出ます。ちょうど40.0 %は「超えた」に含まれず「△ 標準的」側になります。
縦にFG試投、横にFT試投を取った一覧です。値は計算機の表示どおりです(100以上は整数表記)。
| FG試投\FT試投 | 2本 | 4本 | 6本 | 8本 |
|---|---|---|---|---|
| 8本 | 25.0 % | 50.0 % | 75.0 % | 100 % |
| 10本 | 20.0 % | 40.0 % | 60.0 % | 80.0 % |
| 16本 | 12.5 % | 25.0 % | 37.5 % | 50.0 % |
| 20本 | 10.0 % | 20.0 % | 30.0 % | 40.0 % |
| 30本 | 6.7 % | 13.3 % | 20.0 % | 26.7 % |
FG試投8本の行で100 %に届くように、シュート数が少ないほどFTrは簡単に大きな値になります。表の左下と右上では、同じ数字でも意味が違います。
FTrに「正解の値」はありません。カテゴリ・年代・レベル・審判の傾向・チーム戦術で出やすい水準は大きく動きます。以下はおおまかな目安です。なお画面のコメントは40 %超で「○ 高め」に変わります。
| FTrの帯 | 読み取れる傾向 |
|---|---|
| 10 %未満 | ほぼ接触のない位置から打っている。外角中心の形が多い |
| 10〜25 % | アウトサイド主体だが、たまに中に入っている |
| 25〜40 % | ドライブやポストを織り交ぜ、継続的にラインに立てている |
| 40 %超 | 攻撃の起点がゴール付近に寄り、相手の反則を引き出せている |
| 100 %超 | FT試投がFG試投を上回る特殊な状況。出場時間が短い場合などに起こる |
同じチーム内でポジションごとに比べる、同じ選手の前半戦と後半戦を比べる——この2つが、外部の基準値に頼らずに済む実用的な使い方です。
一番やりがちな誤解が、1試合の数字をそのまま実力と受け取ることです。分母のFG試投が小さいと、フリースローが1本増えるだけで数字は大きく動きます。動く量は100 ÷ FG試投ポイントです。
| FG試投 | FTrの例(変更前) | FT試投+1本後 | 変化量 |
|---|---|---|---|
| 6本 | 2本 → 33.3 % | 3本 → 50.0 % | 約16.7ポイント |
| 10本 | 3本 → 30.0 % | 4本 → 40.0 % | 10.0ポイント |
| 16本 | 5本 → 31.3 % | 6本 → 37.5 % | 約6.3ポイント |
| 20本 | 6本 → 30.0 % | 7本 → 35.0 % | 5.0ポイント |
| 50本 | 15本 → 30.0 % | 16本 → 32.0 % | 2.0ポイント |
FG試投6本の試合では、笛が1つ増えたかどうかで16ポイント以上動きます。これは選手の変化ではなく、単に分母が小さいだけです。1試合単位ではなく数試合ぶんのFT試投とFG試投をそれぞれ合計してから入力すると、数字が落ち着きます。FG試投が合計50本を超えたあたりから、1本の増減による揺れは2ポイント程度に収まります。
「フリースロー」と名の付く指標は複数あり、混同すると振り返りの方向を間違えます。
3つ並べると、FTrも決定率も低いなら打つ位置、FTrが高く成功率が低いならラインでの一本、と次に手を入れる場所が絞れます。
指標が拾えないものを意識することが、この数字と長く付き合うコツです。FTrは、味方のスクリーンで空いた瞬間や、相手のファウルトラブルを誘った効果、接触を避けて相手が下がった結果といった文脈を含みません。体を張り続けた結果として相手が警戒し、かえってFTrが下がることも普通に起こります。数字が落ちた=プレーが悪化した、と短絡しないでください。
審判の判定傾向も大きな変数です。同じプレーでも大会ごとに笛の基準は動くため、異なる大会同士で直接比べるより、同一大会の中で比べるほうが意味を持ちます。
体への負担も忘れないでください。FTrを上げようとすると、ゴール下での接触が必然的に増えます。膝・足首・腰に痛みや違和感があるとき、体調がすぐれないときは無理をせず、休むこと、必要なら医療機関で診てもらうことを優先してください。指導者や医療関係者の判断を、この計算機の出力より常に上に置いてください。
記録の残し方は、試合ごとにFT試投とFG試投の2列だけをメモするのがおすすめです。この2つさえあれば後から何通りにも合算し直せますが、FTrだけをメモしていると正しい値を復元できません。比率の平均は合計から求めた比率と一致しないからです。たとえばFG試投5本でFTr40.0 %の試合とFG試投25本でFTr8.0 %の試合を単純平均すると24.0 %ですが、合計で計算すると4本÷30本で13.3 %です。生の本数を残すことが、そのまま分析の精度になります。