計算結果は一般的な計算式による目安です。競技のルールや大会・用具の規定により実際とは異なる場合があります。
バスケットボールのスタッツで「よく打つ選手」と「効率よく取る選手」は別物です。前者は試投数、後者は1本あたりの見返りで測ります。PPS(Points Per Shot)は後者を担当する数字で、得点をフィールドゴールの試投数で割った値です。同じ20点でも、12本で取ったのか25本で取ったのかで意味はまるで違う。その差を1つの数にまとめるのがこの指標です。得点とFG試投の2つを入れれば、割り算と表示の整形はこの計算機が処理します。
式はPPS = 得点 ÷ FG試投です。単位は「点/本」で、1本打つごとに平均何点が返ってきたかを表します。表示にはひとつクセがあり、値の大きさで小数の桁数が切り替わります。
計算例①:20点・FG試投16本
20 ÷ 16 = 1.25。1.0以上なので小数第1位に丸められ、表示は1.3点/本です。手計算の1.25と画面の1.3が食い違って見えるのはこのためです。
計算例②:30点・FG試投20本
30 ÷ 20 = 1.5。ちょうど1.5点/本。2Pだけで換算すれば成功率75%に相当する高い効率です。
計算例③:11点・FG試投12本
11 ÷ 12 = 0.9166…。1.0未満なので3桁表示となり0.917点/本と出ます。1本打つごとに1点を割り込んでいる状態です。
縦が得点、横がFG試投です。値はこの計算機が実際に返す形(1.0以上は小数第1位、1.0未満は小数第3位)で載せています。
| 得点\FG試投 | 5本 | 10本 | 15本 | 20本 | 25本 |
|---|---|---|---|---|---|
| 6点 | 1.2 | 0.600 | 0.400 | 0.300 | 0.240 |
| 10点 | 2.0 | 1.0 | 0.667 | 0.500 | 0.400 |
| 15点 | 3.0 | 1.5 | 1.0 | 0.750 | 0.600 |
| 20点 | 4.0 | 2.0 | 1.3 | 1.0 | 0.800 |
| 25点 | 5.0 | 2.5 | 1.7 | 1.3 | 1.0 |
| 30点 | 6.0 | 3.0 | 2.0 | 1.5 | 1.2 |
PPSは成功率と無関係ではなく、打つシュートの種類を固定すれば直接換算できます。2Pだけを打つならPPSは成功率の2倍、3Pだけなら3倍です(フリースローを含めない場合)。同じ成功率でも3Pのほうが1本あたりの見返りが大きいことが、表を見ると一目で分かります。
| FG成功率 | 2Pだけを打った場合 | 3Pだけを打った場合 |
|---|---|---|
| 30% | 0.600 | 0.900 |
| 35% | 0.700 | 1.0 |
| 40% | 0.800 | 1.2 |
| 45% | 0.900 | 1.4 |
| 50% | 1.0 | 1.5 |
| 55% | 1.1 | 1.7 |
| 60% | 1.2 | 1.8 |
この表から読み取れるのは、3Pの成功率35%が2Pの成功率50%とほぼ並ぶという関係です(3×0.35=1.05、2×0.50=1.00)。成功率という単一の数字だけでシュート選択の良し悪しを判断すると、3Pの価値を取りこぼすことになります。
PPSの分母はFG試投です。バスケットボールの得点は2点か3点の単位で動くため、試投が少ない日は1本入るだけで値が大きく跳ねます。動き幅は2 ÷ 試投数および3 ÷ 試投数でそのまま計算できます。
試投5本と50本では1本の重みが10倍違います。5本で3Pを2本沈めればPPSは1.2に届きますが、これを「効率の良い選手」の根拠にするのは無理があります。数試合ぶんを合算し、試投が数十本たまった状態で見るほうが傾向として読めます。
「1.0を超えれば効率が良い」という言い方はよく使われますが、これは目安であって合格ラインではありません。カテゴリ、年代、レベル、チームの戦術によって出やすい値は変わります。数値だけで選手の良し悪しを決めないでください。
Q. PPSはいくつを目標にすればいい?
A. 目標値を断定することはできません。1.0はよく引き合いに出される区切りですが、「2Pの成功率50%と同じ効率」という意味以上のものではありません。カテゴリ・年代・チームの戦術で妥当な水準は変わります。まずは自分の過去の値を基準に、上下の動きを追うほうが実用的です。
Q. 手元の電卓では1.25なのに、画面は1.3と出ます。
A. 表示上の丸めです。1.0以上の値は小数第1位に四捨五入されるため、1.25は1.3、1.35は1.4になります。内部で使われているのは丸める前の値なので、計算そのものがずれているわけではありません。
Q. 得点にフリースローを含めるべき?
A. このツールは含める前提で設計されています。ファウルをもらってフリースローを得る力も、シュートの選択とセットの技術だと考える立場です。ただし、団体や資料によってはFG由来の得点だけで計算するPPSもあり、両者は同じ名前でも別の数字になります。たとえば得点25点のうち7点がフリースローで、FG試投16本の場合、含めれば25÷16=1.6、除けば18÷16=1.1です。どちらの定義で出した値なのかを、記録と一緒に残しておいてください。
Q. FG成功率は悪くないのに、PPSが伸びません。
A. 2Pの比率が高い可能性があります。2Pだけを打つ選手は、成功率が50%でもPPSは1.0で頭打ちです。一方で3Pは成功率が40%あればPPSは1.2に達します。また、フリースローをほとんど得ていない場合も、得点側が積み上がらないためPPSは低めに出ます。
Q. チーム全体のPPSも計算できる?
A. できます。チームの合計得点とFG試投を入れれば、チーム単位の1本あたり得点になります。ただし個人の値と横並びで比べる意味は薄く、同じチームの別期間と比べるほうが情報になります。
Q. PPSを上げるために練習量を増やすべき?
A. 練習の量や強度についてこのページで推奨することはできません。適切な負荷は年齢・体格・競技歴・その日のコンディションによって大きく異なります。取り組み方は指導者と相談して決めてください。痛みや違和感、強い疲労を感じるときは無理をせず休み、不安があれば医療機関の判断を優先してください。