計算結果は一般的な目安です。実際の条件・規格により異なる場合があります。
レシピには「牛もも肉1kgを180℃で」と書いてあるのに、買ってきた塊肉は1,350gだった——ローストで最初につまずくのはたいていここです。このツールは肉の重量・オーブン温度・好みの焼き加減の3つを入れるだけで、加熱時間の出発点となる分数と、焼き加減に対応する芯温の目安、焼き上げ後に休ませる時間の目安を表示します。クリスマスのローストチキンや来客用のローストビーフなど、段取りを組み立てる下準備に向いています。
はじめにいちばん大切なことを書いておきます。ここで出る分数はあくまで計画を立てるための目安であり、「この時間焼けば必ず火が通る」ことを保証するものではありません。オーブンの機種や庫内の実際の温度、肉の形(同じ1kgでも細長いか丸いか)、冷蔵庫から出した直後かどうかで、必要な時間は大きく変わります。仕上がりの判断は必ず中心部の温度で行ってください。
結果には加熱時間のほか、目安の芯温(レア55℃/ミディアム63℃/ウェル71℃)と休ませ時間目安(加熱時間の15%)が並びます。芯温は焼き加減の温度帯を示す参考値で、肉の種類によっては十分な加熱と言えない温度帯も含みます。
このツールは次の比例式で分数を出しています。
「180℃・ミディアムなら500gあたり12分」が基準で、温度が下がれば反比例で時間が伸び、焼き加減で前後する構造です。表示は小数第1位まで(100以上は整数)に丸められます。
計算例①:1,000gの塊を180℃・ミディアムで
(1000÷500)×12=24分。温度は基準どおりで(180÷180)=1、仕上がり係数も1.00。よって24.0分、休ませ時間は24×0.15=3.6分です。
計算例②:1,500gの塊を160℃・ウェルで
(1500÷500)×12=36分、(180÷160)=1.125を掛けて40.5分、さらにウェルの1.25で50.625分。表示は50.6分、休ませ時間は7.6分。低温にするほど分数が伸びます。
180℃に設定した場合の表示値です。計画用の目安であり、実際の火の通りは中心温度で確かめてください。
| 重量 | レア(1) | ミディアム(2) | ウェル(3) |
|---|---|---|---|
| 500g | 10.2分 | 12.0分 | 15.0分 |
| 800g | 16.3分 | 19.2分 | 24.0分 |
| 1,000g | 20.4分 | 24.0分 | 30.0分 |
| 1,200g | 24.5分 | 28.8分 | 36.0分 |
| 1,500g | 30.6分 | 36.0分 | 45.0分 |
| 2,000g | 40.8分 | 48.0分 | 60.0分 |
同じ1,000gでも設定温度を変えると表示はこう動きます。低温ほど分数が伸び、高温ほど短くなる反比例の関係です。
| 設定温度 | 加熱時間 | 休ませ時間 |
|---|---|---|
| 140℃ | 30.9分 | 4.6分 |
| 160℃ | 27.0分 | 4.0分 |
| 180℃ | 24.0分 | 3.6分 |
| 200℃ | 21.6分 | 3.2分 |
| 220℃ | 19.6分 | 2.9分 |
| 250℃ | 17.3分 | 2.6分 |
ただし高温側は「この分数で中心まで熱が届く」という意味ではありません。高温ほど外側だけ先に色づき、中心との温度差は開きます。表の分数はタイマーの初期値と考え、その時点で中心温度を測って続行するか決めてください。
塊肉の加熱であてになるのは、中心部の温度を実際に測った数字です。食品用の温度計を、いちばん厚い部分に骨や脂の層を避けて刺します。表面近くを測ると実際より高い数字が出るので注意を。測ったら必ず洗ってから次に使います。
表示される芯温(55/63/71℃)は焼き加減の区分を示す参考値です。肉の種類によって加熱の考え方は大きく変わります。
加熱の可否は最終的にご自身の目と温度計で判断してください。本記事は衛生や医学の専門的な助言を行うものではありません。心配な場合は、自治体や保健所が公開する家庭での加熱の目安をご確認ください。
Q. 表示された時間だけ焼けば大丈夫ですか?
A. いいえ。表示は比例式から出した目安で、機種・庫内の実温・肉の形・初期温度で必要時間は変わります。時間はタイマーの初期設定として使い、仕上がりは中心温度で確認してください。
Q. 冷蔵庫から出したての肉と、しばらく置いた肉で違いますか?
A. 出発点の温度が違うため、冷たいまま入れると表示より長くかかりやすくなります。ただし常温に長時間置くのは衛生面で望ましくないため、置く場合も短時間に。
Q. 骨付き肉や、丸鶏の場合はどう考えますか?
A. 骨のまわりは熱の伝わり方が変わり、丸鶏は球に近いぶん中心まで距離があります。表示より長めに見込み、もも肉の付け根など火が通りにくい場所を測ってください。
Q. 2本同時に焼くときは重量を合計しますか?
A. 合計しません。1本ごとの重さで計算し、大きいほうを基準に。ただし庫内が混み合うと熱の回りが悪くなり、さらに時間がかかります。肉どうしを離して並べてください。
Q. 焼き上がってすぐ切るとどうなりますか?
A. 肉汁が流れ出やすく、断面が乾いた印象になります。アルミホイルなどで包んで少し休ませると落ち着きます。ツールは加熱時間の15%を休ませ時間の目安として表示します(1,000g・180℃・ミディアムなら24.0分に対して3.6分)。休ませている間も余熱で中心温度はいくらか上がるため、どこで出すかは肉の種類と食べる人に合わせて判断してください。
Q. 仕上がりに0や5を入れるとどうなりますか?
A. 1と3以外はすべてミディアム(係数1.00・芯温63℃)扱いです。レアなら1、ウェルなら3と明示して入力してください。
Q. 低温調理器やコンベクション(熱風循環)でも同じ数字が使えますか?
A. 前提が異なるためこの式は当てはまりません。熱風循環は熱の伝わりが速く、低温調理は長時間・一定温度という別の考え方です。機器の説明書やレシピの指示に従ってください。
本ツールの数値はすべて目安です。加熱の可否や保存の判断は、実際の状態と公的機関の情報をもとにご自身でご判断ください。