目安としてご利用ください。
「APS-Cのカメラに50mmのレンズを付けたら、フルサイズだと何mm相当になるの?」「この単焦点で部屋全体は写せる?」——レンズ選びで誰もが一度はつまずくのが、この“写る範囲”の感覚です。同じ「50mm」という表記でも、カメラのセンサーが小さければ実際に写る範囲は狭くなり、より望遠寄りに見えます。このツールは、レンズ表記の焦点距離とセンサーサイズを入れるだけで、フルサイズ換算(35mm換算)の焦点距離と、対角・水平・垂直それぞれの画角(度)を一気に計算します。
使う人は幅広く、これからミラーレスを買うのでレンズの守備範囲を比較したい初心者、APS-Cとフルサイズの2台を使い分けるユーザー、動画のフレーミングを事前に詰めたいVlogger、不動産やイベントで「どのレンズなら全体が入るか」を見積もりたい現場の方まで。頭の中の「だいたい」を数字に落とすことで、買い替えや撮影前のレンズ選びの失敗を減らせます。
迷いやすいのが「すでに35mm換算で書かれた数値を入れてしまう」ケースです。入力するのはレンズ本体の表記(実焦点距離)であり、換算後の数値ではありません。たとえばマイクロフォーサーズ用「25mm」レンズは換算50mm相当ですが、ここに入れるのは25です。換算値を入れると二重にクロップがかかり、答えがずれます。
計算は2段階です。まず換算焦点距離を出し、次に画角を出します。
画角の基準には35mm判フィルム(フルサイズ)の寸法を使います。水平36mm・垂直24mm・対角43.3mm。これを上の式の「センサー寸法」に当てはめ、対角・水平・垂直の3種類を算出します。一般に「画角◯度」と言うときは対角を指すことが多いので、本ツールもメイン表示は対角です。
計算例1:フルサイズ+50mm 換算焦点=50×1.0=50mm。対角画角=2×atan(43.3÷(2×50))×180÷π = 約46.8度。これは人の自然な視野感に近い「標準」レンズの代表値です。水平は約39.6度、垂直は約27.0度になります。
計算例2:APS-C+35mm 換算焦点=35×1.5=52.5mm。対角画角=2×atan(43.3÷(2×52.5))×180÷π = 約44.8度。つまりAPS-Cに35mmを付けると、フルサイズの標準50mmとほぼ同じ写りになります。「APS-Cの35mmは“標準”の定番」と言われるのはこのためです。
計算例3:マイクロフォーサーズ+12mm 換算焦点=12×2.0=24mm。対角画角は約84度で、広い室内や風景に向く広角域に入ります。
| 換算焦点 | 対角画角(約) | 区分・用途の目安 |
|---|---|---|
| 14mm | 114度 | 超広角・星空・建築 |
| 24mm | 84度 | 広角・風景・室内・Vlog |
| 35mm | 63度 | 準広角・スナップ |
| 50mm | 47度 | 標準・自然な視野 |
| 85mm | 29度 | 中望遠・ポートレート |
| 135mm | 18度 | 望遠・スポーツ・舞台 |
| 300mm | 8度 | 超望遠・野鳥・飛行機 |
焦点距離は画角に対して線形ではないことに注目してください。14→24mmで画角は約30度も狭まるのに、135→300mmでは10度しか変わりません。広角側は数mmの違いで写りが大きく変わり、望遠側は数十mm変えてやっと印象が変わる、という感覚の差が表からも読み取れます。
Q. 35mm換算は何のためにあるの?
A. センサーサイズの違うカメラ同士で「写る範囲」を比較するための共通のものさしです。フルサイズに揃えた数値で考えれば、APS-Cの30mmもマイクロフォーサーズの23mmも「換算45mm前後の準標準」と一目で並べられます。
Q. 換算で焦点距離が伸びると、レンズが“望遠化して得”なの?
A. 画角が狭くなる点では望遠的に使えて有利ですが、F値(明るさ)や被写界深度のボケ量まで同じになるわけではありません。画角は換算で揃っても、ボケや高感度耐性はセンサーの実面積に依存します。あくまで“写る範囲”の換算と割り切るのが正確です。
Q. APS-Cの係数は1.5でいいの?
A. ソニー・ニコン・富士などは約1.5、キヤノンのAPS-Cは約1.6です。本ツールは代表値の1.5で計算しているため、キヤノン機では換算値・画角がごくわずかに望遠側へずれます(50mmで換算75→実際は約80mm)。厳密に詰めたい場合はこの差を頭に置いてください。
Q. 対角・水平・垂直、どれを見ればいい?
A. レンズの“広さ”を一言で言うときは対角画角が一般的です。横位置で「左右にどれだけ入るか」を知りたいときは水平画角、縦構図やパノラマ計画では垂直画角が役立ちます。
Q. ズームレンズの「換算◯-◯mm」はどう読む?
A. 広角端と望遠端それぞれに係数を掛けます。APS-Cの18-55mmなら換算27-82.5mm相当。広角端と望遠端を別々に入力すれば、ズーム全域の画角の幅が把握できます。
この計算は「無限遠(遠くにピントを合わせた状態)」を前提にした理論値です。実際にはピントを近距離に合わせるとレンズが繰り出し、画角がわずかに狭くなる現象(フォーカスブリージング)があり、特にマクロ撮影や動画で無視できない差になることがあります。
また、表記の焦点距離と実際の写りが微妙に違うレンズも珍しくありません。超広角ズームの「16mm」が実測ではやや狭い、といったメーカー公差の範囲のズレです。さらに動画モードでは静止画より一回り狭くクロップされる機種が多く、4Kや電子手ブレ補正をオンにするとさらに画角が削られます。「写真では入ったのに動画では端が切れる」のはこれが原因です。
本ツールの数値は、35mm判の標準寸法と公称係数(1.0/1.5/2.0)に基づく概算・目安です。レンズ選びの当たりを付けるには十分ですが、機材の正確な仕様や実画角は各メーカーの公式情報でご確認ください。