目安としてご利用ください。
クリップオンストロボやモノブロックをマニュアル発光で使うとき、「被写体まで何メートルなら、どのF値が適正露出になるのか」を素早く知りたい場面があります。TTL自動調光に任せれば多くの状況では正確ですが、逆光・鏡面・暗い背景など反射条件が特殊なシーンや、物撮り・商品撮影で1枚ごとの露出を完全に固定したいときは、TTLがコマごとに揺れて再現性が下がります。このツールは、ガイドナンバー(GN)・被写体までの距離・撮影ISO感度の3つを入れるだけで、適正絞り(F値)、ISO補正後の実効GN、各F値で光が届く距離までまとめて計算します。物撮りをするネットショップ運営者、夜景や室内でポートレートを撮る人、マニュアル発光を覚えたい初中級者に向いた、露出設計の「たたき台」を出す道具です。
計算結果はあくまで理論値の概算・目安です。実際の光量は被写体の反射率・部屋の広さや壁色によるバウンス・ディフューザーやアンブレラの有無で大きく変わります。最終的な露出は必ずテスト撮影とヒストグラムで確認してください。
ガイドナンバーは「GN = 適正F値 × 距離(m)」で定義される、ストロボの光量を表す指標です。この式を変形すると、知りたい値がそれぞれ求まります。
ISOに平方根が付くのは、光量が「面」で広がるためです。ISOを4倍(2段)にするとGNは√4=2倍になり、同じF値でも届く距離が2倍に伸びます。「距離が2倍になると必要な光量は4倍(2段分)」という逆二乗の法則も、この平方根の裏返しです。
計算例1:GN36・距離5m・ISO100 適正F値 = 36 ÷ 5 = 約F7.2。実際の設定ではF7.1かF8に丸めて撮り、あとはヒストグラムで微調整します。
計算例2:GN36・ISO400で遠くまで届かせたい 実効GN = 36 × √(400÷100) = 36 × 2 = GN72。このときF2.8まで開ければ、届く距離は 72 ÷ 2.8 = 約25m。ISO100のままなら 36 ÷ 2.8 = 約12.9mだったので、2段のISO増感で到達距離がちょうど2倍に伸びたことが確認できます。
代表的なGNで、距離ごとの適正F値の目安をまとめました。ISOを上げる場合は、下の補正表でGNを読み替えてから当てはめてください。
| GN\距離 | 1m | 2m | 3m | 5m |
|---|---|---|---|---|
| GN20 | F20 | F10 | F6.7 | F4.0 |
| GN36 | F36 | F18 | F12 | F7.2 |
| GN60 | F60 | F30 | F20 | F12 |
1mでF20やF36は現実の被写界深度としては絞りすぎです。この場合は「ストロボの発光量を1/4・1/16などに下げる」「距離を離す」「ISOはむしろ下げる」で対応します。近距離ではGNが余りやすいことがこの表からも分かります。
| ISO | GN倍率 | GN36→実効GN |
|---|---|---|
| 100 | ×1.0 | 36 |
| 200 | ×1.41 | 約51 |
| 400 | ×2.0 | 72 |
| 1600 | ×4.0 | 144 |
Q1. ガイドナンバーとは何ですか?
A. ストロボの光の強さを表す数値で、「F値 × 距離(m)」で定義されます。ISO100が基準で、数字が大きいほど遠くまで光が届きます。GNの単位はメートル基準(m)とフィート基準(ft)があり、ft値はm値の約3.3倍になります。海外仕様では大きい数字が出ることがあるので単位に注意してください。
Q2. ISOを上げると何が変わりますか?
A. 実効GNが √(ISO÷100) 倍になります。ISOを4倍(2段)にするとGNは2倍になり、同じF値でも到達距離が2倍に伸びます。遠くまで届かせたいときの一番手軽なレバーですが、ノイズと引き換えです。
Q3. カタログのGNより届かない気がします。なぜ?
A. カタログGNはズーム連動ストロボの「最も望遠側(照射角が狭い)」の値で表記されることが多く、広角側では2〜3割低下します。またディフューザーやバウンス、暗い被写体では大きく減衰します。実測値との差は珍しくありません。
Q4. 複数灯やアンブレラを使うときも同じ式でいいですか?
A. 素の直射なら概ね当てはまりますが、アンブレラ・ソフトボックスを通すと光が拡散し実効GNは大きく下がります(目安1.5〜2段減)。多灯ではメイン灯だけをこの式で見積もり、他は比率で調整するのが実用的です。最終的にはテスト撮影で合わせてください。
Q5. 計算どおりにすれば必ず適正露出ですか?
A. いいえ、あくまで概算・目安です。被写体の反射率、部屋の広さや壁色、機材の個体差で実際の光量は変わります。本ツールは設定の出発点を素早く出すためのもので、露出の最終判断はヒストグラムやテスト撮影で行ってください。