%・角度・比・寸を相互変換/高低差も計算
「屋根の図面は4寸勾配、見積書は40%、設計図には1:2.5──同じ傾きなのに表現がバラバラで読み替えられない」。勾配(こうばい)は業界ごとに言い回しが違うため、現場でつまずきやすい数字です。この計算機は、パーセント(%)・角度(度)・比(1:n)・屋根の寸(〇寸勾配)という4つの表記を、どれか1つ入力するだけで残り全部に自動変換します。さらに「高低差と水平距離」から直接求めることもできるので、現場で巻尺を当てた実測値からそのまま勾配を出せます。
使う人は幅広く、屋根・板金・大工などの建築職人、車いす用スロープを設計・施工する人、道路や排水管の勾配を確認する土木関係者、DIYでウッドデッキやスロープを作る人などです。「この坂、車いすで上れる?」「うちの屋根、何度の傾き?」といった素朴な疑問にも即答できます。
画面上部で入力モードを「パーセント」「角度」「高低差と距離」から選びます。1つの値を入れれば、4つの表記がまとめて結果欄に表示されます。
迷いやすいのが「比」と「寸」の読み違いです。比(1:n)は数字が大きいほど緩く、寸(屋根勾配)は数字が大きいほど急という逆の関係になります。1:50は非常に緩い坂、5寸勾配はかなり急な屋根です。混同しないよう、結果欄で必ず両方を見比べてください。
勾配の根っこは「水平距離(H)に対する垂直距離(V)の割合 = V÷H」です。この比1つから4表記すべてが導けます。本ツールも、入力をいったんこの比に直してから各表記へ換算しています。
計算例1:屋根の「4寸勾配」を変換する。 4寸勾配は水平10に対し垂直4なので、比=V÷H=4÷10=0.4。
・パーセント=0.4×100=40%
・角度=arctan(0.4)≒21.8°
・比=1:(10÷4)=1:2.5
一般的な住宅でよく見る、ほどよい傾きの屋根です。
計算例2:高低差から坂の勾配を出す。 駐車場のスロープで、奥行き(水平距離)6m、上がり(高低差)0.5mを測ったとします。比=0.5÷6≒0.0833。
・パーセント=0.0833×100≒8.3%
・角度=arctan(0.0833)≒4.8°
・比=1:(6÷0.5)=1:12
・寸=0.0833×10≒0.83寸
「1:12」は車いす用スロープの代表的な基準値で、これより急だと自走がきつくなります。
よく出てくる勾配を一覧にしました。数値は四捨五入した概算です。
| パーセント | 角度 | 比(1:n) | 寸 | 目安 |
|---|---|---|---|---|
| 2% | 1.1° | 1:50 | 0.2寸 | 排水・水勾配 |
| 5% | 2.9° | 1:20 | 0.5寸 | 緩い坂道 |
| 8.3% | 4.8° | 1:12 | 0.8寸 | 車いすスロープ上限 |
| 10% | 5.7° | 1:10 | 1.0寸 | 急坂の道路標識 |
| 30% | 16.7° | 1:3.3 | 3寸 | 緩勾配の屋根 |
| 40% | 21.8° | 1:2.5 | 4寸 | 標準的な屋根 |
| 100% | 45° | 1:1 | 10寸 | 急勾配(矩勾配) |
Q. 100%勾配は角度何度ですか? 200%なら90度ですか?
A. 100%は45°です。水平と垂直が同じ(V=H、比1:1)になる傾きが100%。%と角度は比例しないので、200%でも90°にはならず約63.4°です。角度は最大でも90°(垂直)止まりですが、%は理論上は無限に大きくできます。
Q. 「1:50」と「2%」はどちらが急ですか?
A. まったく同じ勾配です。1:50は水平50で1上がる=1÷50=0.02=2%。比は数字が大きいほど緩く、%は数字が大きいほど急という向きの違いに注意してください。混乱したら本ツールに片方を入れて見比べるのが確実です。
Q. 斜面に沿った長さ(斜辺)はどう求めますか?
A. 三平方の定理で斜辺=√(H²+V²)です。例えば水平6m・高低差0.5mのスロープなら斜辺≒√(36+0.25)≒6.02m。スロープの実際の長さや屋根材の必要長さを見積もるときは、水平距離ではなくこの斜辺で計算しないと材料が不足します。
Q. 「寸」と「分」はどう違いますか?
A. 屋根勾配の「寸」は水平10(1尺)に対する垂直の上がりを尺貫法の寸で表したもの。1寸=10分なので、3.5寸勾配は「三寸五分(さんすんごぶ)勾配」とも言います。3寸と4寸の中間の細かい勾配を表すときに分を使います。
Q. 高低差モードで計算が合いません。
A. 多くは水平距離に斜辺の長さを入れていることが原因です。水平距離は真上から見た投影距離。坂に沿って巻尺を当てた斜めの長さではありません。レーザー距離計で水平距離を測るか、別途斜辺から逆算してください。