焦点距離とF値からパンフォーカスの距離を計算
過焦点距離(ハイパーフォーカルディスタンス)は、その距離にピントを合わせると「無限遠までシャープに写る最も手前の被写体距離」のことです。この計算では、レンズの焦点距離・F値・許容錯乱円から過焦点距離を求め、風景写真などで手前から奥までをパンフォーカスにしたいときの目安が分かります。
過焦点距離 H は次の式で求めます。f は焦点距離、N はF値、c は許容錯乱円です(単位はすべてmmで揃え、結果はm換算)。
H = f² ÷ (N × c) + f
分母が大きいほど H は短くなるため、絞り込む(N大)ほど、また許容錯乱円が大きいセンサーほど、より手前まで被写界深度に入ります。例として焦点距離35mm・F8・許容錯乱円0.03mmの場合:H = 35² ÷ (8 × 0.03) + 35 = 1225 ÷ 0.24 + 35 ≒ 5140mm、つまり約5.1mです。この5.1mにピントを合わせると、約2.6m(Hの半分)から無限遠までがシャープに写ります。
初期値の周辺で、焦点距離 f(縦)とF値(絞り)N(横)の2つを変えたときに過焦点距離(ここにピントを合わせる)がどう動くかを並べたものです。数値はこのページの計算式で実際に算出しています。
| 焦点距離 f(mm) \ F値(絞り)N(F) | 4F | 8F | 12F | 16F |
|---|---|---|---|---|
| 18mm | 2.72 m | 1.37 m | 0.92 m | 0.69 m |
| 26mm | 5.66 m | 2.84 m | 1.90 m | 1.43 m |
| 35mm | 10.24 m | 5.14 m | 3.44 m | 2.59 m |
| 53mm | 23.46 m | 11.76 m | 7.86 m | 5.91 m |
| 70mm | 40.90 m | 20.49 m | 13.68 m | 10.28 m |
値は本ページの計算式で算出した目安です。実際の条件によって変わりますので、細かい条件は上の計算機に自分の数字を入れて確かめてください。
Q. 過焦点距離にピントを合わせると、どこからどこまで写りますか?
A. 過焦点距離 H にピントを合わせると、手前は H の約2分の1の距離から、奥は無限遠までがピント範囲になります。風景でいちばん広い被写界深度を稼げる合わせ方です。
Q. 許容錯乱円はどう決めればいいですか?
A. センサーサイズで変わります。フルサイズ約0.03mm、APS-C約0.02mm、マイクロフォーサーズ約0.015mmが一般的な目安です。大きく引き伸ばす・等倍で見るなど厳しく見たい場合は、小さめの値を入れると安全側になります。
Q. F値を絞れば絞るほど良いのですか?
A. 過焦点距離は短くなりますが、F11〜F22あたりまで絞ると「回折」で全体の解像感が落ち始めます。多くのレンズはF8〜F11が解像と深度のバランスが良いとされます。