目安としてご利用ください。
「年商はそこそこあるのに、税金と保険を払ったら手元にいくら残るのか分からない」——フリーランス・個人事業主にとって、これは毎年つきまとう不安です。会社員と違って源泉徴収で自動的に処理されないぶん、所得税・住民税・国民健康保険・個人事業税が翌年にまとめて請求され、油断していると「払うお金を使ってしまった」という事態に陥りがちです。このツールは、年間の売上と経費を入れるだけで、これら4つの負担と手取りの目安を一括で概算します。確定申告の前後はもちろん、独立を検討している段階で「今の年収相当だとフリーランスならいくら残るのか」を試算するのにも役立ちます。
なお本ツールは社会保険料控除や扶養控除などを省いた簡易版です。表示される金額はあくまで概算・目安であり、最終的な納税額の判断は確定申告ソフト・税務署・税理士など公的機関や専門家にご確認ください。
迷いやすいのは「売上に消費税を含めるか」と「経費にどこまで入れるか」です。本ツールは税込・税抜の区別をしない概算なので、まずは税抜の数字で入れておくと実態に近づきます。
このツールは次の順で計算します。まず事業所得=売上−経費を求め、ここから青色申告控除(65万 or 0)と基礎控除48万円を引いた額を「課税所得(所得税ベース)」とします。
計算例①:売上600万円・経費150万円・青色申告
事業所得=600−150=450万円。課税所得=450−65−48=337万円。所得税=337万×20%−42.75万≒約24万円。住民税=(450−65−43)万×10%=342万×10%=約34万円。国保=(450−65)万×10%=385万×10%=約38.5万円。個人事業税=(450−65−290)万×5%=95万×5%=約4.75万円。合計の負担目安は約101万円、事業所得450万円から差し引いた手取りは約349万円です。
計算例②:売上400万円・経費80万円・白色申告
事業所得=400−80=320万円。課税所得=320−0−48=272万円。所得税=272万×10%−9.75万≒約17.5万円。住民税=(320−43)万×10%=約27.7万円。国保=320万×10%=約32万円。個人事業税=(320−290)万×5%=約1.5万円。合計目安は約78.7万円、手取りは約241万円です。白色は青色65万円控除がないぶん、同程度の所得でも負担が重くなる傾向が分かります。
青色65万円控除を使った場合の、事業所得ごとの負担イメージです。社会保険料控除などを省いた概算で、自治体・扶養状況により上下します。
| 事業所得 | 税・保険の合計目安 | 手取りの目安 | 負担率の目安 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約55万円 | 約245万円 | 約18% |
| 450万円 | 約101万円 | 約349万円 | 約22% |
| 600万円 | 約165万円 | 約435万円 | 約28% |
| 800万円 | 約255万円 | 約545万円 | 約32% |
所得が増えるほど負担率が上がるのは、所得税が累進構造だからです。国保には自治体ごとの上限額(賦課限度額)があるため、高所得帯では実際の負担率はこの概算ほど一直線には伸びません。
Q. 青色申告と白色申告で、結局いくら変わりますか?
A. 青色申告(複式簿記+e-Tax等の要件を満たす)なら最大65万円が課税所得から引かれます。所得税率20%帯の人なら、所得税・住民税・国保の合計で年20万円前後安くなることも珍しくありません。記帳の手間はありますが、会計ソフトを使えば現実的にこなせる範囲です。
Q. 国民年金や消費税は含まれていますか?
A. 含まれていません。国民年金(定額・1人あたり月約1.7万円=年約20万円)や、課税事業者になった場合の消費税は別途かかります。インボイス制度で課税事業者を選んだ人は消費税の納付も発生するため、手取りは表示よりさらに減る点に注意してください。
Q. 個人事業税は全員払うのですか?
A. いいえ。事業所得から事業主控除290万円を引いた額にかかるため、所得が290万円以下なら0円です。また業種によって税率(多くは5%)や課税対象が異なり、ライター・画家など非課税扱いの業種もあります。自分の業種が対象かは都道府県税事務所で確認できます。
Q. 開業1年目なのに住民税や国保が安いのはなぜ?
A. 住民税と国保は「前年の所得」をもとに計算されるためです。会社を辞めて独立した初年度は前年の所得が会社員時代のものになり、逆に高くなるケースもあります。フリーランス2年目以降は前年の事業所得が反映されるので、初年度が好調だと2年目に負担がドンと増えます。納税資金を別口座に取り分けておくのが安全です。
Q. 手取りを増やすには何から手をつければいい?
A. まずは「青色申告にする」「経費の計上漏れをなくす」の2つが効果大です。さらにiDeCo・小規模企業共済・国民年金基金の掛金は全額が所得控除になり、将来の備えをしながら課税所得を下げられます。