被本塁打・与四死球・奪三振・投球回だけで投手の実力を測る
一般的な定義に基づく計算です。リーグ・大会の規定をご確認ください。
防御率が良い投手が本当に「良い投手」とは限りません。味方の守備が上手ければ失点は減り、ヒット性の当たりが野手の正面を突く「運」でも数字は変わるからです。FIP(Fielding Independent Pitching=守備独立投球指標)は、守備がほぼ関与しない4つの結果——被本塁打・与四球・与死球・奪三振——だけから投手を評価するセイバーメトリクス指標です。このツールは成績と投球回を入れるだけでFIPを自動計算します。プロ野球の成績分析はもちろん、草野球のスコアラーが自チームの投手を「守備込みの防御率」と切り分けて評価するのにも使えます。
FIPの計算式はFIP=(13×被本塁打+3×(与四球+与死球)−2×奪三振)÷投球回+定数です。係数の13・3・−2は、本塁打・四死球・三振が失点に与える影響の大きさを統計的に重み付けしたもので、本塁打が突出して重く、三振は失点を防ぐのでマイナスに働きます。守備や打球の行方が絡む「単打・二塁打・エラー」などは一切登場しないのがポイントです。
計算例:被本塁打12本・与四球40・与死球5・奪三振140・投球回130回・定数3.12
分子=13×12+3×(40+5)−2×140=156+135−280=11。
FIP=11÷130+3.12=0.085+3.12=3.20。
もし投球回が130回2/3なら、130+2/3=130.67回で割るため FIP=11÷130.67+3.12=3.20(この例では四捨五入で同値)となります。端数アウトも正しく入れるほど正確です。
Q. FIPと防御率はどちらを信じればいいですか?
A. 役割が違います。防御率は「実際に何点取られたか」という結果、FIPは「守備や運を除いた投手自身の内容」です。FIPが防御率より大きく低い投手は運や守備に恵まれなかった可能性があり、翌年は防御率が改善しやすいと読めます。逆にFIPが防御率より高ければ、好守備に助けられていた可能性を疑います。将来の成績はFIPのほうが予測しやすいとされています。
Q. 定数3.12はどこから来た数字ですか?
A. 定数は「リーグ全体のFIPの平均が、リーグ全体の防御率の平均と一致する」ように毎年逆算される値です。3.12は一般的な目安のひとつで、打高投低の年は大きく、投高打低の年は小さくなります。おおよそ3.0〜3.4に収まることが多く、同一年・同一リーグ内の比較なら定数を固定したままでも順位関係は変わりません。
Q. 投球回の「.1」「.2」はそのまま小数として計算していいですか?
A. いけません。成績表の「130.1回」は130回と1/3回(アウト1つ分)という意味の慣習表記で、数学的には130.333…回です。0.1のまま割り算すると誤差が出ます。このツールは整数部分と端数アウトを分けて入力する方式なので、換算を意識せずに正確な値で計算できます。