作る服と生地幅から必要な布のメートル数
デザイン・サイズ・柄合わせで前後します。余裕を見て購入してください。
「このワンピース、生地を何メートル買えばいいの?」——洋裁やハンドメイドで最初につまずくのが、この「用尺(ようじゃく)」の見積もりです。生地屋さんの店頭やネットショップの布は10cm単位で切り売りされることが多く、足りなければ作れず、買いすぎれば余った布が引き出しに溜まっていきます。特に厄介なのが、同じ服でも生地の「幅」によって必要な長さがまったく変わる点。このツールは、作る服の種類と生地幅・単価を入れるだけで、必要なメートル数と費用の目安をその場で出します。手芸店に出かける前、ネットでカートに入れる前の「あと何メートル?」を、電卓なしで確認したい人向けのツールです。
結果は「必要な生地(m)」を大きく表示し、内訳として90/110/150cm幅それぞれの必要量、縫い代込みの目安(+0.2m)、費用の目安、標準用尺を一覧で確認できます。
このツールは、幅110cmを基準にした標準用尺を、実際に使う生地幅に合わせて補正しています。式はシンプルです。
必要量(m)= 標準用尺 ×(110 ÷ 生地幅cm)(結果は小数第1位に切り上げ)
考え方の背景はこうです。服の型紙は「幅×長さ」の面積で布を消費します。生地幅が半分になれば横に並べられる型紙が減り、その分だけ長さ方向で補う必要が出ます。だから幅が狭いほど必要な長さは伸び、幅が広いほど短くて済むわけです。110を基準にしているのは、それが日本の綿・リネル系プリント地でもっとも流通している幅だからです。切り売りは10cm刻みが基本なので、端数は必ず切り上げて「足りない」を防いでいます。
計算例①:ワンピース/生地幅90cm
標準用尺2.5m × (110 ÷ 90) = 2.5 × 1.222… = 3.05… → 切り上げて3.1m。幅の広い150cmで作れば 2.5 × (110÷150) = 1.83… → 1.9m で済み、90cmとは1.2mも差が出ます。
計算例②:Tシャツ/生地幅110cm、単価1,200円
標準用尺1.5m × (110÷110) = 1.5m。基準幅ちょうどなので補正はかかりません。費用は 1.5m × 1,200円 = 1,800円。縫い代込み目安なら 1.5+0.2=1.7m が安心ラインです。
下表は、各服の110cm基準の標準用尺と、幅を変えたときの必要量(切り上げ後)の目安です。
| 服の種類 | 標準用尺(110cm) | 幅90cm | 幅150cm |
|---|---|---|---|
| 子供服 | 1.0m | 1.3m | 0.8m |
| Tシャツ | 1.5m | 1.9m | 1.1m |
| スカート | 1.5m | 1.9m | 1.1m |
| ブラウス | 2.0m | 2.5m | 1.5m |
| パンツ | 2.0m | 2.5m | 1.5m |
| ワンピース | 2.5m | 3.1m | 1.9m |
大人のMサイズ・標準的なデザインを想定した数値です。Lサイズ以上、フレアやギャザーの多いデザイン、長袖・ロング丈はこれより増える方向に振れます。
Q. 生地幅で必要な長さが変わるのはなぜ?
A. 服は面積で布を使うからです。幅が狭いと横に型紙を並べきれず、足りない分を長さ(メートル)で補います。だから同じワンピースでも90cm幅なら3.1m、150cm幅なら1.9mと大きく変わります。買う前に必ず生地幅を確認してください。
Q. 縫い代は含まれていますか?
A. メインの数値は標準的な用尺そのものです。裁断のズレや縫い代の取り回しに余裕を持たせたいときは、内訳の「縫い代込み目安(+0.2m)」を参考にしてください。慣れないうちはこちらで買うと安心です。
Q. 柄物やチェック・ストライプでも同じ用尺でいい?
A. いいえ、多めに必要です。大きな柄や方向のある柄は、左右・前後で模様がつながるよう「柄合わせ」をするため、その分の布をロスします。表示量に2〜3割足して買うと失敗しにくくなります。特に大柄プリントやボーダーは要注意です。
Q. ニット(伸びる生地)と布帛(織物)で違いはある?
A. 用尺の考え方自体は同じですが、ニットは方向(地の目)に沿って裁つ必要があり、天竺やスムースなど生地によって幅も変わります。市販の型紙に「推奨用尺」があるときは、そちらを最優先にしてください。
Q. 一方方向(毛並み・柄の向き)がある生地は?
A. コーデュロイ、別珍、光沢のあるサテン、一方向プリントなどは、全パーツを同じ向きで裁つ必要があります。裏返して並べる「差し込み裁ち」が使えないため、通常より1〜2割多めに見積もってください。