目地の長さ・幅・深さから必要本数を算出
材料の必要量の目安です。実際の商品規格・施工条件でご確認ください。
「浴室の目地を打ち替えたいけど、カートリッジは何本買えばいい?」——ホームセンターの棚の前でこれを暗算しようとすると、メートルとミリメートルとミリリットルが入り混じって一気にややこしくなります。この計算機は、目地の総長さ(m)・目地幅(mm)・目地深さ(mm)・1本あたりの容量(ml)の4つを入れるだけで、1mあたりに必要な体積、全体の必要体積、そして切り上げた必要本数を同時に出します。1本足りずに作業が止まる、逆に買いすぎて使い切れないまま硬化させてしまう、というどちらの失敗も減らすための道具です。表示される数量はあくまで理論値の目安で、実際の使用量は目地の形状や下地の状態、施工中のロスによって変わります。
このツールの中身は、次の3行だけです。単純に見えますが、mm×mmがそのままml/mになるところが少し不思議に感じられるかもしれません。
なぜ幅と深さを掛けるだけでml/mになるのか。断面積は「幅mm × 深さmm」で平方ミリメートル、これに長さ1m=1,000mmを掛けると体積は「幅 × 深さ × 1,000」立方ミリメートルになります。そして1ml=1,000立方ミリメートルなので、1,000で割ると元に戻り、結局「幅 × 深さ」がそのまま1mあたりのミリリットル数になるわけです。10mm角の目地なら1mあたり100ml、5mm角なら1mあたり25ml。この対応を覚えておくと、現場でも暗算の見当がつきます。
計算例①:初期値のまま(10m・幅5mm・深さ5mm・320ml)
1mあたり体積は 5 × 5 = 25ml/m。必要体積は 10 × 5 × 5 = 250ml。320mlのカートリッジなら 250 ÷ 320 = 0.78125 本ぶんですが、切り上げるので1本と表示されます。
計算例②:10m・幅10mm・深さ10mm・320ml
1mあたり100ml、必要体積は 10 × 10 × 10 = 1,000ml。1,000 ÷ 320 = 3.125 本で、切り上げて4本。幅と深さがそれぞれ2倍になっただけで、必要量は4倍に増えます。目地の断面は面積で効くので、寸法の見積もりが甘いと本数が大きく外れます。
計算例③:8m・幅12mm・深さ8mm・320ml
1mあたり 12 × 8 = 96ml/m、必要体積は 8 × 96 = 768ml。768 ÷ 320 = 2.4 本なので、切り上げて3本です。3本目はほとんど余ることになりますが、途中で足りなくなるよりは安全側の数字です。
結果の表示には、値の大きさによって桁数を変えるルールが入っています。100以上なら整数に丸めて三桁区切り、1以上100未満なら小数第1位まで、1未満なら小数第2位までです。そのため必要本数が4本のときは「4.0 本」、16本のときは「16.0 本」と小数点付きで出ます。本数の計算そのものは切り上げた整数なので、「4.0」は4本ちょうどという意味であって、4.0本ぶんの端数があるわけではありません。同じ理由で1mあたり体積も25ml/mなら「25.0」、100ml/mなら「100」と表示が変わります。
代表的な断面寸法について、1mあたりの体積と、総長さ10m・容量320ml換算での本数をこのツールの式で計算した一覧です。
| 目地の幅×深さ | 1mあたり | 10mの必要体積 | 320ml換算 |
|---|---|---|---|
| 5×5mm | 25ml/m | 250ml | 1本 |
| 6×6mm | 36ml/m | 360ml | 2本 |
| 10×5mm | 50ml/m | 500ml | 2本 |
| 10×10mm | 100ml/m | 1,000ml | 4本 |
| 15×10mm | 150ml/m | 1,500ml | 5本 |
| 20×10mm | 200ml/m | 2,000ml | 7本 |
| 総長さ | 必要体積 | 割り算の値 | 切り上げ本数 |
|---|---|---|---|
| 5m | 500ml | 1.56 | 2本 |
| 10m | 1,000ml | 3.13 | 4本 |
| 20m | 2,000ml | 6.25 | 7本 |
| 30m | 3,000ml | 9.38 | 10本 |
| 50m | 5,000ml | 15.63 | 16本 |
計算結果は「目地の空間をぴったり埋めたときの体積」で、実際の消費量はこれより多くなるのが普通です。次のような分は式に含まれていません。数量を決めるときは、この差を自分の条件に合わせて上乗せしてください。
目安として、切り上げ後の本数に対してさらに予備を1本持っておくと、途中で足りなくなって作業が中断する事態を避けやすくなります。とくに硬化が始まると継ぎ目の仕上がりに差が出やすいため、長い距離を一気に打つ計画なら余裕を多めに見ておくほうが結果的に楽です。
Q. カートリッジの容量は何mlを入れればよいですか。
A. 手元の製品パッケージに書かれている内容量をそのまま入れてください。初期値の320mlは一例で、容量は製品によって異なります。容量を間違えると必要体積が合っていても本数だけがずれるので、ここは実物を見て確認する価値があります。
Q. 目地深さが測れないときはどうすればよいですか。
A. 既存のコーキングを撤去したあとで測るのが確実です。撤去前で分からない場合は、幅と同程度と仮置きして計算し、多めに用意しておく方法があります。深さを実際より小さく見積もると本数が足りなくなるため、迷ったら大きめの値で試算してください。
Q. 本数が「4.0 本」と小数で表示されるのはなぜですか。
A. 100未満の値を小数第1位まで表示する仕様のためで、本数そのものは切り上げた整数です。「4.0」は4本という意味です。
Q. 入隅(角の三角形の目地)にも使えますか。
A. 概算には使えますが、断面が三角に近い場合、四角形として計算したこのツールの値は多めに出ます。おおよそ半分程度の断面積になる形状であれば、その分だけ実消費は減ります。安全側の見積もりとして受け取り、余った分は別の箇所に回すか、予備として扱ってください。
Q. バックアップ材を入れる場合、深さはどこまで数えますか。
A. バックアップ材やボンドブレーカーより手前、実際にコーキング材が入る部分の深さを入れてください。奥まで数えると必要量を過大に見積もることになります。
Q. 何種類かの寸法の目地が混在しています。
A. 寸法ごとに分けて計算し、必要体積(ml)の段階で合計してから容量で割ると、本数の切り上げが1回で済んで無駄が減ります。ツール上では寸法ごとに計算して体積をメモし、最後に自分で合計してください。