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🔬 幾何学的不鮮鋭度(Ug) 計算機

焦点寸法と距離からUgを自動計算(RT)

撮影配置を入力

幾何学的不鮮鋭度 Ug
mm
📘 計算式

Ug = F × b ÷ a
(F:線源の焦点寸法、a:線源〜被写体間距離、b:被写体〜フィルム間距離)

Ugを小さくするには、焦点を小さく・線源距離を大きく・被写体をフィルムに密着させます。規格の許容値と併せてご確認ください。

📖 幾何学的不鮮鋭度(Ug)の使い方と完全ガイド

放射線透過試験(RT)では、X線管やγ線源に「焦点寸法」という一定の大きさがあります。理想的な点線源なら影の輪郭はくっきりしますが、実際の線源には広がりがあるため、きずの像の縁に半影(ペナンブラ)ができてぼやけます。この縁のにじみ幅が幾何学的不鮮鋭度(Ug:geometric unsharpness)です。Ugが大きいと、細いきずや割れの先端が周囲に溶け込んで検出できなくなったり、寸法を実際より大きく読んでしまったりします。

「撮影距離をどこまで詰めて作業効率を上げられるか」「この配置で規格の許容Ugに収まるか」「焦点の大きい可搬型装置で薄板を撮るときの限界はどこか」——現場の放射線作業従事者やRT技術者、RT2・RT3の受験者がぶつかるこうした判断を、このツールは焦点寸法と2つの距離を入れるだけで即座に数値化します。撮影前のセッティング検討や、過去問の検算に使ってください。

使い方

迷いやすい点:bを「フィルムに最も近いきず」で取るか「線源に最も近いきず(=試験体厚さ全体)」で取るかで値が変わります。安全側(Ugが大きく出る側)に評価したいときは、線源側の表面、つまり試験体厚さtをbに入れてください。多くの規格はこの最悪条件で許容値を定めています。

計算のしくみ・計算式

幾何学的不鮮鋭度は、相似三角形の関係から次の式で求めます。

Ug = F × b ÷ a
F:焦点寸法、a:線源〜被写体間距離、b:被写体〜フィルム間距離

焦点が大きいほど、また被写体がフィルムから離れる(bが大きい)ほどぼけは増え、線源を遠ざける(aが大きい)ほどぼけは減ります。

計算例1:標準的なX線撮影
F=3mm、a=600mm、b=20mm のとき
Ug = 3 × 20 ÷ 600 = 60 ÷ 600 = 0.10mm
0.1mm前後は一般的な溶接部RTで十分に良好な値です。

計算例2:距離を詰めて効率を上げた場合
同じF=3mm、b=20mmで、撮影距離を半分のa=300mmにすると
Ug = 3 × 20 ÷ 300 = 60 ÷ 300 = 0.20mm
距離を半分にするとUgはちょうど2倍に悪化します。露光時間は距離の二乗則で約1/4に短縮できますが、鮮鋭度を失う点に注意が必要です。

早見表:焦点寸法と距離でUgはどう変わるか

被写体〜フィルム間距離 b=20mm に固定した場合のUg(mm)の目安です。

焦点F\距離a300mm600mm1000mm
1mm0.070.030.02
2mm0.130.070.04
3mm0.200.100.06
4mm0.270.130.08

表から、距離を伸ばす効果と焦点を小さくする効果がともにUgを直線的に下げることが読み取れます。bが20mmより厚い試験体では、表の値を比例倍してください(例:b=40mmなら表の2倍)。

許容値の目安・基準

Ugの許容上限は適用規格と試験体の公称厚さで段階的に決まります。JIS Z 3104(鋼溶接継手のRT)などでよく示される考え方の目安は次の通りです。実際の合否は必ず該当規格の本表で確認してください。

試験体の公称厚さUg許容値の目安
約25mm以下0.25mm 程度以下
約25〜50mm0.40〜0.50mm 程度以下
約50mm超0.70mm 程度以下

薄い試験体ほど許容Ugは厳しく(小さく)なります。これは薄板では検出すべききずも微細であり、わずかなぼけが致命的になるためです。

よくある質問

Q. aとbは具体的に何を測ればいいですか?

A. aは線源からきずのある面(線源側の試験体表面)まで、bはその面からフィルムまでの距離です。試験体をフィルムに密着させる通常配置では、bはほぼ試験体厚さに等しくなります。撮影距離SFD=a+bの関係も覚えておくと検算に便利です。

Q. Ugを小さくする一番効きやすい方法は?

A. 手段は3つで、(1)焦点寸法Fの小さい線源・装置を使う、(2)撮影距離aを伸ばす、(3)試験体をフィルムに密着させてbを小さくする、です。bは試験体厚さで下限が決まり詰めにくいため、現場では「aを伸ばす」が最も実用的な調整になります。

Q. 焦点が大きいγ線源(Ir-192など)で薄板は撮れますか?

A. 撮れますが、焦点が大きいぶんUgが悪化しやすいので、撮影距離を十分に取る必要があります。本ツールでF・a・bを入れて許容値内に収まるか事前に確認してください。

Q. Ugがゼロにはできないのはなぜですか?

A. 焦点寸法Fが有限である限り、式 Ug=F×b÷a の分子はゼロになりません。点線源(F=0)は現実には存在しないため、Ugは小さくできても完全にはなくせません。だからこそ配置の最適化が重要になります。

Q. 像の全体的なボケはUgだけで決まりますか?

A. いいえ。フィルムや増感紙に由来する固有不鮮鋭度Uiも加わります。総合不鮮鋭度は概ね √(Ug²+Ui²) で見積もれます。Ugを下げすぎてもUiが支配的なら像はそれ以上シャープになりません。

注意点・もう一歩踏み込んだ知識

本ツールおよび本記事の数値・許容値は概算・目安です。実際の撮影条件の決定や合否判定は、適用規格の本文・表と、有資格者(RT技術者・放射線取扱主任者など)の判断に従ってください。

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※計算結果は目安です。正確な判断は公的機関・専門家にご確認ください。