計算結果は一般的な目安です。実際の条件・規格により異なる場合があります。
手持ちの食パン型と、レシピに書かれている型のサイズが違う——パン作りでいちばん多いつまずきがこれです。生地が少なすぎれば背の低い詰まったパンになり、多すぎればふたが閉まらなかったり、山が崩れて焼き上がりが割れたりします。この計算機は、型の長さ・幅・高さと比容積を入れるだけで、その型に見合った生地の総重量を出し、そこから強力粉と水のおおよその量まで逆算します。レシピを自分の型に合わせて書き換えたいとき、あるいは新しい型を買う前に「どれくらいの粉を使う型なのか」を知りたいときの土台になります。
比容積は「型の容積 ÷ 生地の重量」で表され、パンの詰まり具合を示す指標です。数字が小さいほど生地をたっぷり詰めることになり、目の詰まった重めのパンになります。逆に数字が大きいほど生地は少なく、軽くふんわりした食感に寄ります。同じ型でも比容積を3.6にするか4.2にするかで、必要な生地量は1割以上変わります。まずは3.8〜4.0で焼いてみて、「もっとふんわりさせたい」なら数字を上げ、「もっちり詰まった感じにしたい」なら下げる、という調整のしかたが分かりやすいでしょう。
3行目の1.78という数字は、粉を100としたときの配合の合計から来ています。水68に加え、2+6+2=10ぶんの副材料(塩・砂糖・イーストや油脂にあたる分)を見込み、合計178。つまり生地は粉の1.78倍の重さになるという前提で粉を逆算しています。使うレシピの配合がこれと違えば粉と水の値はずれますので、生地の総重量のほうを主役として読み、粉・水は出発点の目安として扱ってください。
計算例:19×12×12cmの型を、山型(比容積3.8)で焼く
型容積=19×12×12=2,736mL。生地の総重量=2,736÷3.8=720g。強力粉=720÷1.78=404g、水=404×0.68=275g。仕込み時の生地の見た目のボリュームは2,736×0.65=1,778mL相当、つまり型の6〜7割まで入っていれば、発酵後にちょうど良い高さに収まる計算です。
よくある内寸で計算した値です。手持ちの型に近い行を見れば、だいたいの粉の量がつかめます。
| 内寸(cm) | 型容積 | 生地の総重量 | 強力粉 | 水 |
|---|---|---|---|---|
| 19×9.5×9.5 | 1,715mL | 451g | 254g | 172g |
| 12×12×12 | 1,728mL | 455g | 255g | 174g |
| 20×10×10 | 2,000mL | 526g | 296g | 201g |
| 19×12×12 | 2,736mL | 720g | 404g | 275g |
| 21×12×12 | 3,024mL | 796g | 447g | 304g |
| 22×12×12 | 3,168mL | 834g | 468g | 318g |
| 比容積 | 生地の総重量 | 強力粉 | 仕上がりの傾向 |
|---|---|---|---|
| 3.4 | 588g | 330g | 目が詰まり、しっとり重め |
| 3.6 | 556g | 312g | やや詰まり気味 |
| 3.8 | 526g | 296g | 山型の標準 |
| 4.0 | 500g | 281g | 角型の標準 |
| 4.2 | 476g | 268g | 軽くふんわり寄り |
同じ型でも、生地量は3.4なら588g、4.2なら476gと110g以上開きます。「なぜか毎回ふたが閉まらない」「いつも背が低い」という悩みは、配合よりもこの数字の選び方が原因になっていることがあります。
Q. 「1斤」と入力する欄がないのはなぜ?
A. 斤は本来パンの重さの単位で、型の寸法とは一対一で対応しないためです。同じ「1斤型」でも高さや幅は製品ごとに違います。寸法から容積を出すこの方式なら、手持ちの型そのものに合った量が出ます。
Q. 出てきた粉の量が、レシピと違うのですが?
A. このツールは加水68%+副材料10という決め打ちの配合で粉を逆算しています。加水率がもっと高いレシピや、牛乳・卵の多いリッチな配合では合計比率が変わるため差が出ます。生地の総重量のほうを合わせ、粉と水の内訳はお使いのレシピの比率で割り振ってください。加水率から水量を出したいときはパン生地の加水率計算が使えます。
Q. 台形の型や、丸みのある型はどう測る?
A. 底と口の幅を測って中間の値を使うと実際の容積に近づきます。より正確に知りたい場合は、型に水を入れて計量カップで量る方法が確実です。その実測mLを長さ×幅×高さの代わりと考えれば、生地量は「実測容積 ÷ 比容積」で求まります。
Q. 「型の6〜7割」という表示は何のため?
A. 成形した生地を型に入れた直後、どのくらいの高さまで来ていれば適量かの目安です。型容積の65%を表示しています。仕込み直後に型いっぱいまで入っている場合は明らかに入れすぎです。
Q. ケーキ型やマフィン型にも同じ考え方が使える?
A. 比容積の基準はパン特有のもので、そのままお菓子には使えません。型のサイズを変えたときのレシピ換算は製菓の型サイズ変換のほうが目的に合います。
Q. 生地を2分割・3分割して型に詰める場合は?
A. 出てきた総重量を分割数で割るだけです。720gを3分割なら1個240g。分割時は必ずはかりで計り、重さをそろえると焼き上がりの山の高さが揃います。