HDDの容量・台数・RAIDレベルから使える容量を計算
目安としてご利用ください。
NASや自作サーバーを組むとき、「同じHDD4台でも、RAIDレベルによって使える容量がこんなに違うのか」と戸惑った経験はないでしょうか。RAIDは複数のHDD/SSDを1つのドライブのように束ねる技術で、選ぶレベルによって「実際に使える容量」と「何台まで壊れても大丈夫か(冗長性)」のバランスが大きく変わります。このツールは、HDD1台の容量・台数・RAIDレベルを入力するだけで、実効容量・総容量・故障許容台数・使用率をまとめて表示します。NASの購入検討中の方、家庭用ファイルサーバーを組む方、業務でストレージ設計を考える方の「見積もりの下書き」として使える目安ツールです。
基本の式はとてもシンプルで、実効容量 = 1台あたり容量 × 有効台数 です。「有効台数」がRAIDレベルによって決まる部分で、パリティ(誤り訂正情報)やミラー(複製)に使われる分だけ、使える台数が減ります。有効台数は次のとおりです。RAID0=全台数、RAID1=1台、RAID5=台数−1、RAID6=台数−2、RAID10=台数÷2(小数点以下切り捨て)。使用率は「実効容量 ÷ 総容量 × 100」で、どれだけのディスクが実データに使われるかを示します。
計算例1:4TB × 4台 で RAID5 を組む場合
有効台数は 4−1=3台。実効容量は 4TB × 3 = 12TB。総容量は 4TB × 4 = 16TB なので、使用率は 12 ÷ 16 × 100 = 75%。パリティが1台分あるので、1台まで故障しても復旧できます。容量効率と安全性のバランスが良く、家庭〜中小規模で最も定番の構成です。
計算例2:8TB × 6台 で RAID6 を組む場合
有効台数は 6−2=4台。実効容量は 8TB × 4 = 32TB。総容量は 8TB × 6 = 48TB なので、使用率は 32 ÷ 48 × 100 = 約66.7%。パリティが2台分あるため、同時に2台まで故障しても復旧可能です。大容量HDDを多数使う構成では、後述する「リビルド中の二重故障」対策としてRAID6が推奨されます。
| RAID | 実効容量 | 使用率 | 故障許容 | 向いている用途 |
|---|---|---|---|---|
| RAID0 | 16TB | 100% | 0台 | 速度・容量最優先(冗長なし) |
| RAID1 | 4TB | 25% | 3台 | 重要データの二重化 |
| RAID5 | 12TB | 75% | 1台 | 容量と安全のバランス |
| RAID6 | 8TB | 50% | 2台 | 大規模・高信頼 |
| RAID10 | 8TB | 50% | 1〜2台* | 速度と安全の両立 |
*RAID10は「壊れる場所」によって許容台数が変わります。同じミラーペア内の2台が壊れるとアウトですが、別々のペアなら最大2台まで耐えられます。本ツールでは安全側の目安として1台と表示しています。
Q1. RAID5とRAID6の違いは?
A. RAID5はパリティ1つで1台までの故障に耐え、RAID6はパリティ2つで2台まで耐えます。RAID6は使える容量が1台分少なくなりますが、故障ドライブを交換してデータを再構築(リビルド)している最中に、もう1台が壊れても復旧できるのが最大の利点です。
Q2. メーカー表記どおりの容量が出ないのはなぜ?
A. メーカーは1TB=1兆バイト(10進:1000⁴)で表記しますが、OS(特にWindows)は1TiB=1024⁴バイトで計算し、これを「TB」と表示します。その差で、実際の表示容量は表記より約9%少なく見えます。例えば4TBのHDDは約3.64TiBと表示されます。本ツールはメーカー表記ベースの概算値です。
Q3. RAIDを組めばバックアップは不要?
A. いいえ。RAIDはあくまで「ドライブ故障による停止・データ消失」への対策であり、誤削除・ランサムウェア・NAS本体の故障・落雷・盗難・複数台同時故障には対応できません。RAIDとバックアップは役割が別物です。別媒体(外付けHDDやクラウド)へのバックアップは必ず併用してください。
Q4. 容量の違うHDDを混ぜたらどうなる?
A. 標準的なRAIDでは、最も小さいドライブの容量に全台が揃えられます。8TBと4TBを混ぜると、8TB側も4TB分しか使われず余りは無駄になります。そのため入力時は最小ドライブの容量を基準にすると実態に近い見積もりになります(Synology SHRなど一部の可変RAIDは例外)。
Q5. 後からHDDを増やして容量を拡張できる?
A. 多くのNASは「オンライン容量拡張」に対応しており、ドライブ追加や大容量ドライブへの交換で容量を増やせます。ただし再構築に長時間かかり、その間は負荷が高まります。拡張前には必ずバックアップを取り、機種ごとの手順を確認してください。