目安としてご利用ください。
「自分の所得税っていくらになるんだろう」と気になる場面は意外と多いものです。確定申告の前に納税額のあたりをつけたいとき、転職や昇給で課税所得が変わったときの手取りの変化を知りたいとき、ふるさと納税やiDeCoを始める前に税負担がどれだけ減るか比べたいとき——いずれも所得税額がわからないと判断ができません。このツールは課税所得を万円単位で入れるだけで、累進税率にもとづいた所得税額を即座に概算します。適用される税率・速算控除額・復興特別所得税(2.1%)を加えた合計額・実効税率・月あたりの負担まで一覧で確認できるので、紙の速算表を引かなくても自分の数字がすぐにつかめます。
入力欄は「課税所得」ひとつだけです。ここで一番迷いやすいのが、年収(額面)をそのまま入れてしまうことです。所得税は年収ではなく、各種控除を引いた後の「課税される所得金額」にかかります。会社員なら源泉徴収票の「課税される所得金額」、自営業・フリーランスなら確定申告書の課税所得の欄がそのまま使えます。手元に書類がない場合は、年収から給与所得控除・基礎控除・社会保険料控除などを差し引いたおおよその金額を入れてください。
所得税は課税所得が大きいほど税率が上がる「超過累進課税」です。本来は所得を段階に分けて計算しますが、毎回それをやると面倒なので、国税庁の速算表を使います。式はシンプルで、
所得税額 = 課税所得 × 税率 − 速算控除額
その上に 復興特別所得税 = 所得税額 × 2.1% が加算されます。
速算控除額は「低い税率の部分」を二重に取りすぎないための調整値です。これがあるおかげで、税率がそのまま全額にかかるわけではなく、実際の負担(実効税率)は表面の税率より低くなります。
計算例1:課税所得400万円の場合
400万円は「330万円超〜695万円以下」に入るので税率20%・控除42.75万円。
所得税額 = 400万円 × 20% − 42.75万円 = 80万円 − 42.75万円 = 37.25万円
復興特別所得税 = 37.25万円 × 2.1% ≒ 7,822円
合計 ≒ 38.0万円。実効税率は 37.25万円 ÷ 400万円 ≒ 9.3%、月あたり(税込)は約3.17万円です。
計算例2:課税所得800万円の場合
800万円は「695万円超〜900万円以下」に入るので税率23%・控除63.6万円。
所得税額 = 800万円 × 23% − 63.6万円 = 184万円 − 63.6万円 = 120.4万円
復興特別所得税 = 120.4万円 × 2.1% ≒ 25,284円
合計 ≒ 122.9万円。実効税率は 120.4万円 ÷ 800万円 ≒ 15.1% です。課税所得が2倍になると税額は3倍以上になり、累進課税の効きがよくわかります。
| 課税所得 | 税率 | 速算控除額 |
|---|---|---|
| 195万円以下 | 5% | 0円 |
| 195万円超〜330万円以下 | 10% | 97,500円 |
| 330万円超〜695万円以下 | 20% | 427,500円 |
| 695万円超〜900万円以下 | 23% | 636,000円 |
| 900万円超〜1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
| 1,800万円超 | 40% | 2,796,000円 |
本ツールは速算表の区分を金額(195万円=1,950,000円など)で判定しています。なお実際の法令には4,000万円超で税率45%(控除479.6万円)の区分もありますが、本ツールは1,800万円超を一律40%として概算します。超高所得帯の正確な試算は別途ご確認ください。
| 課税所得 | 所得税額(復興税込) | 実効税率 |
|---|---|---|
| 150万円 | 約7.7万円 | 約5.0% |
| 300万円 | 約20.7万円 | 約6.8% |
| 400万円 | 約38.0万円 | 約9.3% |
| 600万円 | 約78.0万円 | 約12.7% |
| 800万円 | 約122.9万円 | 約15.1% |
| 1,000万円 | 約180.4万円 | 約17.7% |
数字を見ると、課税所得が増えるほど実効税率がじわじわ上がっていくのがわかります。境界(330万円・695万円など)を少し超えると新しい税率の対象になる部分が生まれるため、「あと少しで上の区分」というときほど控除を活用する効果が大きくなります。
Q. 課税所得と年収はどう違いますか?
A. 年収(額面)から給与所得控除・基礎控除・社会保険料控除などを差し引いた残りが課税所得です。所得税はこの課税所得にかかるため、年収そのものではなく控除後の金額を入力してください。年収500万円でも、控除を引くと課税所得は250万円前後になることが多くあります。
Q. 復興特別所得税とは何ですか?
A. 東日本大震災の復興財源として2037年まで課される税で、所得税額の2.1%が上乗せされます。本ツールでは「復興特別税込み」の欄でこれを加えた金額を表示します。所得税が0円なら復興特別所得税も0円です。
Q. 住民税は含まれますか?
A. 含まれません。本ツールは国に納める所得税のみの概算です。住民税(おおむね課税所得の約10%)は別途かかるため、トータルの税負担は表示額より大きくなります。住民税は当サイトの「住民税の概算」ツールで試算できます。
Q. 税率が上がると「働き損」になりますか?
A. なりません。超過累進課税では、上の区分の税率がかかるのは「境界を超えた部分」だけです。例えば330万円を1万円超えても、その1万円に20%がかかるだけで、全体が20%になるわけではありません。区分をまたいでも手取りが逆転して減ることはありません。
Q. ふるさと納税やiDeCoで所得税は減りますか?
A. 減ります。iDeCoの掛金や医療費控除などは課税所得そのものを下げるため、税額が直接減ります。ふるさと納税は寄附金控除として所得税・住民税から差し引かれます。控除後の課税所得を本ツールに入れて、節税前後を比べてみると効果がイメージできます。
※本ツールの計算結果は概算・目安です。実際の税額は控除内容や制度改正(定額減税・税額控除など)により異なります。最終的な金額の判断は、国税庁・税務署や税理士など専門家にご確認ください。