馬力(PS/HP)とkWをワンタッチで相互換算
カタログの出力欄には「110 kW(150 PS)」のように2つの数字が併記され、海外の記事を読めば同じ車の出力が「HP」で書かれている。同じエンジンの話をしているのに単位が3種類あり、しかも PS と HP は値が違う——これが馬力まわりのややこしさの正体です。この換算機は、数値をひとつ入れて「その数値の単位」を PS・HP・kW から選ぶだけで、3単位すべての表記を同時に出します。カタログを読み比べるとき、海外の仕様表を日本の表記に直したいとき、電動モーターの kW 表記を馬力の感覚に置き換えたいときに、迷わず突き合わせられます。
内部で持っている定数は次の2つだけです。
つまり「馬力」という言葉は1つではありません。この2つの係数の比を取ると 0.7457 ÷ 0.7355 = 約1.0139 で、同じ数字でも HP のほうが PS より約1.4%大きいことになります。「150 PS」と「150 HP」は別の値です。逆向きの係数は 1 kW ≒ 1.3596 PS ≒ 1.3410 HP。この差はカタログ数値の比較や、海外仕様と国内仕様の突き合わせで効いてきます。混同したまま並べると、実在しない差があるように見えたり、逆に本当の差が消えたりします。
表示は kW が小数第2位まで、PS と HP が小数第1位までで、末尾のゼロは省略されます。たとえば 200 PS の kW 換算は 147.10 ではなく「147.1 kW」と出ますし、3.7 kW の PS 換算は 5.0304… を丸めた結果が「5 PS」と整数のように表示されます。桁が揃っていなくても計算が変わったわけではありません。1000を超える値には3桁区切りのカンマが入ります。
検算例①:100 PS → 100 × 0.7355 = 73.55 kW。内訳の HP は 73.55 ÷ 0.7457 = 98.63… で 98.6 HP。検算例②:100 HP → 100 × 0.7457 = 74.57 kW、PS は 74.57 ÷ 0.7355 = 101.38… で 101.4 PS。同じ「100」でも出口が違うことがはっきり見えます。検算例③:110 kW → 110 ÷ 0.7355 = 149.55… で 149.6 PS、110 ÷ 0.7457 = 147.51… で 147.5 HP。
左端の数値を入力し、単位に「PS」を選んだときの表示です。
| 入力(PS) | kW | HP |
|---|---|---|
| 49 | 36.04 kW | 48.3 HP |
| 64 | 47.07 kW | 63.1 HP |
| 100 | 73.55 kW | 98.6 HP |
| 125 | 91.94 kW | 123.3 HP |
| 150 | 110.33 kW | 147.9 HP |
| 200 | 147.1 kW | 197.3 HP |
| 280 | 205.94 kW | 276.2 HP |
kW 表記のカタログや、モーター出力の数値から馬力の感覚に直したいときはこちらです。
| 入力(kW) | PS | HP |
|---|---|---|
| 3.7 | 5 PS | 5 HP |
| 10 | 13.6 PS | 13.4 HP |
| 36 | 48.9 PS | 48.3 HP |
| 50 | 68 PS | 67.1 HP |
| 100 | 136 PS | 134.1 HP |
| 110 | 149.6 PS | 147.5 HP |
| 150 | 203.9 PS | 201.2 HP |
Q. PS と HP は結局どちらが大きいの?
A. 同じ数字なら HP のほうが約1.4%大きい値です。1 HP ≒ 1.0139 PS、逆に 1 PS ≒ 0.9863 HP。100 HP は 101.4 PS に相当します。
Q. ボタンの「仏馬力」と、よく聞く「メートル馬力」は違うもの?
A. 同じものを指しています。PS は日本では仏馬力・メートル馬力・単に馬力と、複数の呼び名で書かれます。本ツールの計算は 1 PS = 0.7355 kW のメートル馬力です。
Q. 暗算でおおよそを出す方法は?
A. 「kW ≒ PS × 0.74」「PS ≒ kW × 1.36」で十分実用になります。150 PS なら 150×0.74=111 で、正確な110.33 kW にほぼ一致します。
Q. 換算した値がカタログの併記値と1違うことがあります。
A. カタログ側の丸め方(切り上げ・切り捨て・有効数字の取り方)や、公称値そのものの丸めが原因です。本ツールは kW を小数第2位、PS・HP を小数第1位で四捨五入して表示するため、末尾の1程度のずれは起こり得ます。
Q. 最近 kW 表記が主流なのはなぜ?
A. kW が SI の正式単位だからです。馬力は歴史的な慣用単位で、しかも定義が複数あるため、国際的なやり取りや法令上の表記では kW に統一するほうが誤解が生じにくい、という事情があります。
Q. 出力の数値だけで車両の区分は判断できますか?
A. できません。車両の区分は排気量や定格出力など複数の条件で定められており、しかも制度は改定されることがあります。区分・登録・免許に関わる判断は、必ず国土交通省など公式の情報や販売店で確認してください。本ツールは単位換算のみを行うもので、区分の判定はしていません。
Q. 出力の数字が大きいほど良い車ということ?
A. そうとは限りません。出力は車の性格を示す指標のひとつにすぎず、車重、変速機、駆動方式、燃費、用途との相性で乗り味も実用性も変わります。数字の大小そのものを競う目的でこのツールを使う想定はしていません。公道では、車両の性能にかかわらず交通法規の遵守が前提です。