リターンしたポイント数と取ったポイントから獲得率を算出
計算結果は一般的な計算式による目安です。競技のルールや大会・用具の規定により実際とは異なる場合があります。
試合が終わったあと、スコアシートに残るのは「6-4, 3-6, 6-7」のような結果だけです。けれど負けた理由を探そうとすると、それでは足りません。サーブは悪くないのに競り負けたのか、リターンで押し返せずゲームを取れなかったのか——その切り分けに使えるのがリターンポイント獲得率です。相手がサーブを打ったポイント(=自分がレシーバーだったポイント)のうち何割を自分のものにできたか。たったそれだけの割合ですが、リターン側でどれだけ主導権を握れていたかが分かります。この計算機は「リターンしたポイント数」と「取ったポイント」の2つを入れるだけで、獲得率と簡易判定を同時に表示します。
式は 獲得率(%) = 取ったポイント ÷ リターンしたポイント数 × 100 です。ただし表示の桁は決まっており、100以上なら整数、1以上100未満なら小数第1位まで、1未満なら小数第2位までになります。同じ「40パーセント」でも 40.0 % と小数付きで出ますし、すべて取り切れば 100.0 ではなく 100 %、1ポイントも取れなければ 0 ではなく 0.00 % です。見た目が急に変わっても故障ではありません。
計算例①:リターン80ポイント・獲得32ポイント 32 ÷ 80 × 100 = 40 なので表示は 40.0 %。判定は「40%より大きいか」で切り替わるため、ちょうど40.0%のこのケースは △ 標準〜要改善 のままで、惜しくも○になりません。
計算例②:リターン80ポイント・獲得33ポイント 33 ÷ 80 × 100 = 41.25 で表示は 41.3 %。ここで初めて判定が ○ 良好 に変わります。①との差はたった1ポイントです。
計算例③:リターン30ポイント・獲得13ポイント 13 ÷ 30 × 100 = 43.333… で表示は 43.3 %。母数が小さいと、同じ○でも数字が大きく振れます。
3セットマッチ1試合ぶんに近い母数として、リターン80ポイントを固定した表です。獲得ポイントごとに画面へ出る値と判定をまとめました。数字はすべてこの計算機の表示どおりです。
| 取ったポイント | 表示される獲得率 | 簡易判定 |
|---|---|---|
| 28ポイント | 35.0 % | △ 標準〜要改善 |
| 32ポイント | 40.0 % | △(境界ちょうど) |
| 33ポイント | 41.3 % | ○ 良好 |
| 36ポイント | 45.0 % | ○ 良好 |
| 40ポイント | 50.0 % | ○ 良好 |
判定は40%ちょうどでは切り替わらず、40%を上回って初めて○になります。ポイントは1本単位でしか動かないため、母数が小さいほど○に届いた瞬間の数字が40%から飛び離れます。リターン数ごとに△の上限と○になる最小ポイント、その表示を並べました。
| リターン数 | △のままの上限 | ○になる最小 | その表示 |
|---|---|---|---|
| 10ポイント | 4pt(40.0 %) | 5pt | 50.0 % |
| 20ポイント | 8pt(40.0 %) | 9pt | 45.0 % |
| 40ポイント | 16pt(40.0 %) | 17pt | 42.5 % |
| 80ポイント | 32pt(40.0 %) | 33pt | 41.3 % |
| 100ポイント | 40pt(40.0 %) | 41pt | 41.0 % |
獲得率は割合なので、分母が小さいほど1ポイントの重みが増します。記録を読むときにいちばん誤解を生む部分です。「ちょうど40.0%」を出発点に、1ポイントだけ増減させたときの表示を並べます。
リターン10ポイントしかない練習ゲームでは、たまたま1本ネットインが入っただけで表示が30.0%から50.0%へ、20ポイントぶんも動きます。リターンが劇的に良くなったのではなく、母数が小さいがゆえの見かけの揺れです。数字を比べるなら、まず母数が近いもの同士で。1試合ごとの値に一喜一憂するより、同じ大会の複数試合を合算してから入力したほうが実力に近い数字になります。
テニスのスタッツは名前が似ていて迷いがちですが、違いは「何を分母にしているか」だけです。
獲得率とブレークポイント成功率をセットで見ると切り分けが進みます。獲得率は高いのにブレーク成功率が低いなら、ポイントは取れているのに勝負どころで決め切れていない可能性があります。逆に獲得率が低いのにブレークできているなら少ないチャンスをものにしている形ですが、ブレークポイントは母数が小さくなりやすく、次も同じとは限りません。
Q. 相手のダブルフォルトで得た点は、取ったポイントに数えていい?
A. 数えて構いません。この計算機はポイントの中身を区別せず、レシーバー側で決着した割合だけを見ています。ただし相手のダブルフォルトが多い試合は、自分のリターンが効いていなくても数字が上がります。数字は良いのに手応えがなかったときは内訳を思い出してみてください。
Q. ちょうど40.0%なのに「○ 良好」にならないのはなぜ?
A. 判定が「40%より大きいとき」に設定されているためです。40.0%ちょうどは含まれず△と出ます。リターン80ポイントなら32ポイントで△、33ポイントで初めて○。境界の1本差なので、△だからといって内容が悪かったとは限りません。
Q. ファーストへのリターンとセカンドへのリターンは分けるべき?
A. まとめても、分けて2回計算しても構いません。分けると傾向がはっきりします。速いファーストには25%前後しか取れないのにセカンドには55%取れている、といった差が出れば、どちらの局面に手を入れるかが見えてきます。ただし分けるぶん母数が半分になり、数字が振れやすくなる点に注意してください。
Q. ダブルスにも使えますか?
A. 使えます。ただし「リターンした数」を自分がレシーバーだったポイントに限るのか、ペアとして相手サービスゲーム全体にするのかを最初に決めて統一してください。途中で数え方を変えると比較できません。ダブルスは前衛のポーチや相手のフォーメーションが結果に大きく効くため、個人のリターン力だけを取り出した数字にはなりにくい点も押さえておきましょう。
Q. どのくらいの数字を目標にすればいい?
A. このツールが使う40%はひとつの目安にすぎず、カテゴリ・年代・レベル、相手のサーブ力によって適正なラインは大きく変わります。速いサーブの相手が並ぶ大会なら30%台でも十分ということがありますし、逆に50%超えが当然という場合もあります。他人の数字ではなく自分の過去の記録と比べるほうが実用的です。
Q. 数字が悪かったら、そのぶん練習量を増やすべき?
A. この数字は試合内容の記録であって、練習メニューを決めるものではありません。適切な練習量や強度は年齢・経験・体格・その日の体調によって大きく異なり、自己判断で量を増やすことは故障につながることもあります。取り組む内容や負荷は指導者やコーチの判断を優先してください。痛みや違和感があるときは無理をせず休み、必要に応じて医療機関に相談することをおすすめします。